「何をやっても続かない人」が言いがちな言葉4つ その口癖がやる気を失わせているかもしれない

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④ 「自分のためだけにやろう」

自らの喜びのために仕事をしている人は、「所詮こんなものだ……」「どうせ自分なんて……」と簡単に諦めやすい傾向があります。「自分のためだけ」に行動をしていると、モチベーションの限界がすぐにやってきます。

自分のために頑張る人の多くは、自分が認められたいという気持ちを持っています。ですが、自分が認められないと感じた時点でやる気がなくなってしまうのです。そして、「所詮こんなものだ……」「どうせ自分なんて……」と簡単に諦めやすくなるのです。

そこで重要になるのが「誰かのために」やることです。私がサポートをする平昌五輪金メダリスト髙木菜那選手にも「誰かのために」を強く意識するように指導していました。「金メダルをとる」という目標に加えて、「金メダルをとって誰を喜ばせたいのか?」ということを宣言してもらいました。髙木選手は「両親です」とはっきりと答えてくれました。

ゴールが自分のためだけだと、逆境や壁にぶつかると自己防衛本能が働いて諦めてしまいます。しかし、「喜ばせたい人」がいれば別なのです。自分のためであれば諦めやすくても、誰かのためにと強く思うと、その人を喜ばせようとして粘る力が湧いてきます。喜ばせたい人、笑顔にしたい人を明確にすることが大事です。しっかりと喜ばせたい人をイメージしてみてください。

大事なのは「引きずらない」こと

以上シンプルではありますが、厳選してご紹介させていただきました。

『百年メンタル〜心の調子をキープする言葉の取扱説明書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

目指すのは「セルフメンタルコントロール」です。やる気がずっと続く人はなかなかいません。誰でもやる気や気分が落ちてメンタルが下がってくることはあると思います。そこで大事なのは、引きずらないことです。下がった気持ちをリセットして、前を向いて歩んでいけるかどうかです。

人はいざ動き出そうとするときに、夢ややりたいことが大きければ大きいほど怖気付いたりしてしまうものです。それに、やりたくない課題や宿題は本当にやる気になりませんね。それでも、10やることがあったら、1でも手をつけてみてほしいと思っています。1つでも進めば、メンタルも上昇していきます。自分がやりやすいことから手をつけて、徐々にエンジンをかけていくのもありです。

「やる気は、動きはじめるとでてくる」ということもわかっています。掃除をするまでは面倒くさいけれど、掃除をしてみたら途中から他の場所も掃除したくなってしまう。隅々まで綺麗にしたくなってしまう。そんな経験があるのではないでしょうか。まさに動きはじめるとやる気が出たといういい例ですね。ですから、まずは小さいことでもやってみる。それを大事にしてほしいと思います。とはいえ、最初の一歩こそ難しいというのはわかります。

ですから一人でも多くの方が、普段の言葉遣いを変えて心の調子をキープし、いつでも最初の一歩を踏み出しやすいメンタルにしておく。そうして、日々の生活を前向きに送ることができれば、これほど嬉しいことがありません。

飯山 晄朗 メンタルコーチ、人財教育家

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いいやま じろう / Jiro Iiyama

中小企業診断士。銀座コーチングスクール認定プロフェッショナルコーチ。JADA(日本能力開発分析)協会認定SBTマスターコーチ。金沢大学非常勤講師。商工団体の経営指導員としての11年間で、中小企業の経営、財務、労務相談を5000件以上こなし、独立後は中小企業の人材教育に携わり、2つのコーチングスクールの運営。オリンピック選手や高校野球部を始めとするアスリートたちのメンタルサポートを行っている。主な著書『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』(秀和システム)。

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