「新iPad mini」優秀な全く新しい‟文房具"だ 待望のアップデート「第6世代」の実機レビュー

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第1世代のApple Pencilは不完全なデザインで、本体と一緒に持ち運ぶには別途アクセサリーが必要だったし、充電は底面のLightning端子に差し込むという、長らく実用性に欠ける仕様のまま用いられてきた。

新型iPad miniでは、Apple Pencilは第2世代の対応となり、本体右側面に磁石でくっつく充電パットを備えた。普段はここに付けっぱなしにし、使うときに剥がして書き始めることができるようになった。

Apple Pencilがそれぐらいの手軽さで可搬性を高める必要があったのは、iPadOS 15の存在がある。iPad miniのサイズ、そして扱いやすくなったApple Pencilとの組み合わせは、iPad miniの使い勝手を大きく変化させるからだ。

iPadOS 15で、OSとして、日本語の「スクリブル」に対応した。この機能は手書き文字認識を実現するもので、今年ようやく日本語の手書き入力を実現した。かなり崩しながら文字を書いても認識してくれる実用性がある。

Apple PencilとiPadOS 15の機能であるクイックメモの相性は抜群だ。新しいデジタル文房具としての役割を色濃く見せる(筆者撮影)

OS標準のメモアプリだけでなく、文字入力を行う場面であれば、ウェブページの入力フォームにすら、手書きで書き込むことができる。この使い勝手が非常に便利で、メールやSlack、乗り換え案内などのさまざまなアプリに対して手書きで入力する、新しい感覚が便利だった。

また、Apple Pencilで画面右下の角から中央に向けてペン先を走らせると、付箋のようなクイックメモが表示される。もちろんこの中にも手書きもしくは手書き文字認識で素早くメモが残せる。

しかも今表示しているアプリの内容へのリンクもクイックメモに加えることができ、コンテンツとメモの組み合わせで備忘録が作れる点は便利だった。

Apple PencilとiPadOS 15のマッチングのよさは、iPad miniが新しい文房具としてどこへでも持ち歩けること、あるいはピュアなタブレット体験を最も体現する存在であることを、気づかせてくれた。

スマホやパソコンと組み合わせれば…

現在、スマートフォンなしの生活はほぼ考えられなくなってきた。同時に発売されたiPhone 13シリーズはいずれもiPad miniと同様のA15 Bionicを搭載し、4つのサイズで登場している。

iPad miniを組み合わせることで、読書やゲームなどiPhoneが担っていた役割をタブレットに移管することができるようになる。そのため、必ずしもiPhoneが大画面である必要はなくなり、またバッテリーを気にせず楽しめるようになる。

一方パソコンを持ち歩いている場合、バッテリーをより多く消費するビデオ会議にiPad miniから参加することで、電源の場所に頼らず現代的なワークスタイルをかなえることができる。その際、前述のセンターフレームを含む高画質のカメラ性能は、ビデオ会議の品質をより高めることになる。

iPad miniでは、パーソナルな用途でスマホやパソコンの間に収まる中間的なピュアなタブレットとして、そしてビジネスの現場では頼れるモバイルデバイスとして、いずれの市場にもインパクトを与える存在になるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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