「新iPad mini」優秀な全く新しい‟文房具"だ 待望のアップデート「第6世代」の実機レビュー
今回のiPad miniは、登場以来維持してきたオリジナルデザインを変更し、一気にモダンな小型タブレットへと進化するデザイン刷新が加わった。
フラットなデザイン。前後はまっすぐな1つの面で構成され、側面は垂直に立ち上がる、よりシンプルな造型に生まれ変わった。このデザインは、2018年にiPad Proで採用され、その後iPad Air、iPhone 12シリーズ、iMacにも用いられており、アップルの現在の製品に共通するものだ。
ディスプレーは7.9インチから8.3インチに拡大され、前面からはホームボタンが取り除かれて、表示領域で敷き詰められた。そのため、先代と比べ、幅は134.8mmと同じだが、長さは203.2mmから195.4mmに詰められており、重さも、Wi-Fiモデルで7.5g、Wi-Fi + Cellularモデルで11.2g軽量化された。
これまでLightningポートを充電やデータ転送のために搭載していたが、これをiPad ProやiPad Airと同様に、USB-Cに変更した。これにより、Macなどと充電器・ケーブルを共有できるようになったほか、規格上これまでの10倍以上の速度でデータ転送をサポートするようになった。
立って片手で持ちながら使うシーンがより多く想定されてきただけに、小型化と軽量化はiPad miniにとって重要だった。そんな用途にとって頼もしいのが、5G対応だ。
Wi-Fi + Cellularは5G対応となった。高速通信を生かして、大きなデータを送受信したり、より高画質なビデオをダウンロードして移動しながら楽しむ、といった用途にぴったりだ。
ただしミリ波には対応しなかった点は残念だ。空港や施設内など、屋内かつ人が多く集まる場所で働く人も数多く利用し、今後インフラが整っていくと、ミリ波での通信にメリットが出てくる場面もあるだろう。
その一方で、5G通信にはより大きな電力消費が伴う。また、日本の現状を考えると、アンテナ数が圧倒的に多い4Gのほうが、通信速度で優位に立つ場面が目立つ。未来に備えるためにはよいが、2021年の日本において、5Gが欠かせない機能だとは言えない。
「Touch ID」を搭載
iPad miniには、昨年登場したiPad Airと同様、トップボタンに内蔵するタイプの小型指紋認証スキャナ、Touch IDが採用された。細長いボタンに指紋センサーが内蔵され、ここに触れるとロック解除を行うことができる。
製品を新たに設定する際、右手だけでなく、左手の指も登録するよう促される。横長に構えたときにも円滑にロック解除できるようにするためで、気が利いている。
筆者は電車の中での利用を想定していたため、必然的にマスク着用状態になる。顔認証ではマスクをずらして鼻先を出さなければロック解除できなかったが、iPad miniでは指でのロック解除が可能であり、この点もiPad miniを通勤のお供にする際のメリットと言える。
また、前面、背面をカバーする純正ケースなどの使用を前提としており、左側面からボリュームボタンがなくなり、端末上の側面に移動された。頻繁に操作するわけではなく、画面内でもコントロールセンターから設定できるので、位置の移動はさほど不便に感じなかった。
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