というわけで、いよいよここからが本日の本題であります。
上記の話に照らして言えば、ぬか床をキープできる人は「エライ人」で、そうじゃない人は「エラくない人」ということになる。
事実、ぬか床をダメにした人の多くが「私はズボラなので……」などと、苦笑いしながら自虐的な言葉を口にする。確かに、1日1分の簡単な習慣すら身につかなかったという事実は、それが簡単であるからこそ、自分の弱さを責めずにいられない気持ちになるのであろう。
でも、違うんです。
あなたがどうしてもぬか床をキープできないのは、ズボラだからでも、意志が弱いからでもない。
それは、「ぬか漬けを食べない」からなのだ。
「買わない生活」だからこそ続けられる
なぜそれに気づいたかというと、私、気づけばこのところ、かつては日々エンドレスに苛まれ続けていたハムレット的悩み(混ぜるべきか、サボっちゃおうか……)からすっかり解放されて、特段何の気合いを入れることもなく、しかしぬか床をダメにすることもなく、ただ淡々と、わがぬか床と平穏な同居生活をしているのであります。
で、あらまあこれは一体どうしたことかと思ったわけですよ。私もついに「ていねいな暮らし」な人の仲間入りかっ? だがよくよく考えると、そんな大層なことじゃなかった。
私は今、毎日毎食、フツーにぬか漬けを食べている。食べたいからとか好きだからとかいうモンダイではなく、そもそも冷蔵庫のない生活では食材保存のためにぬか床を連日活用せざるをえず、つまりはぬか床はいつだって野菜やら厚揚げやらで満席状態で、「食べない」という選択肢がそもそも存在しないのだ。
何しろ席を空けなきゃ、列をなす新たな乗客(野菜など)が座れませんからね! そのまま食べることもあれば、チャーハンやパスタ、サラダの具として使うこともあるけれど、いずれにせよ、ほぼ毎日何らかの形でぬか漬けを食べているのであります。
で、食べるってことは、毎日ぬか漬けをぬか床から取り出しているわけでして、必然的に「混ぜる」ことになる。ゆえに「混ぜるべきか、サボっちゃおうか」なという葛藤など発生する余地がなくなってしまったのだ。
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