アップル新製品で注目すべき「5つのポイント」 iPhone・iPad・Apple Watchはどう変わるのか
特に、iPadのインカメラには1200万画素の超広角カメラを用いて、被写体を自動的に追跡する「センターステージ」機能まで盛りこんだ。これは2021年4月に発表されたiPadの最上位モデル「iPad Pro」に初めて採用された技術であり、半年で最も価格が安いモデルに採用することで、タブレットのカメラ機能のスタンダードを高めて、差別化要因を強化する狙いが透ける。
一方のiPhoneでは、Androidスマートフォンとの比較は一切行わず、処理性能やバッテリーなどの基本的な性能面ではこれまでのiPhoneとの比較を、またカメラ機能ではスマートフォン初の取り組みをふんだんに盛りこむプレゼンテーションに徹した点が印象的だった。
カメラとバッテリーという2つの強化ポイントに芸がないと感じる人もいるかもしれない。特に開発者からすると、プロセッサーの高速化以外、自分たちが開発するアプリの環境としての進化に欠ける。しかし、一般の顧客は、高精細なカメラと長持ちするバッテリーに反応することを見抜いており、これに忠実に取り組んだ結果だ。
特にカメラ機能の強化は、よりたくさんの高解像度写真とビデオの撮影をユーザーに促し、そのことを見越して、大容量のモデルの選択へ向かわせる。今回iPhoneラインナップ全体を通じて、ベースモデルのストレージ容量は倍増しているが、一方でiPhone 13シリーズに512GBモデル、iPhone 13 Proシリーズに1TBモデルを用意し、1台あたりの価格の上昇の道筋を付けている。
iPhoneの売上高を上昇させる仕掛けが、性能面・実利用面から組み立てられている点には、アップルの戦略の巧みさを垣間見ることができる。
それでは、イベントで注目すべきポイント5つをふりかえっていこう。
1. iPhone 13シリーズで注目すべきバッテリー
目玉となるiPhoneの新モデルは、「iPhone 13」シリーズとなった。サイズ展開は2020年モデルと同様で、
・ iPhone 13 mini 5.4インチ、2カメラ
・ iPhone 13 6.1インチ、2カメラ
・ iPhone 13 Pro 6.1インチ、3カメラ
・ iPhone 13 Pro Max 6.7インチ、3カメラ
という展開となった。
iPhone 13 miniとiPhone 13はディスプレーの品質も向上し、標準輝度は650ニトから800ニトに向上している。Proモデルは昨年モデルの800ニトから1000ニトへと向上し、さらに可変リフレッシュレート技術のPro Motionが導入された。指の動きやゲームなどのコンテンツに呼応し、最大120Hzで素早い動きに対応する一方で、動きがないテキストや写真の表示では最低10Hzまで画面の書き換え頻度を低下させ、電力消費を大幅に抑えることもできる。
ディスプレーだけでなくプロセッサーも向上した。iPhone 13 Proには、GPUが1コア多い5コアGPUを採用しており、6コアCPUとともにより高い性能を発揮し、例えばより高画質なPro Resでのビデオ撮影に対応するなど、高まった処理能力を生かす機能を盛りこんでいる。
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