アップル新製品で注目すべき「5つのポイント」 iPhone・iPad・Apple Watchはどう変わるのか

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iPad miniについて説明するiPadプロダクトマーケティングマネージャー、ケイティ・マクドナルド氏(写真:アップル基調講演ビデオより)

またインカメラはiPad Proと同じ1200万画素の超広角カメラとなり、自動的に自分を追いかけてくれる「センターステージ」機能にも対応する。ビデオ会議にぴったりな機能であり、パソコンを使いながらiPad miniでビデオ会議に参加したり、オンライン授業のカメラとして活用するなど、パンデミックが続き現在に適した活用方法も期待できる。

iPad miniは電子書籍、ゲームに最適な端末だが、加えて特に小学校低学年の生徒たちが扱いやすいタブレットであり、またパイロットがコックピットで利用したり工事現場でも持ち運びしやすいサイズとして人気がある。

パソコンの代替のような存在として進化を続ける10インチ以上の画面サイズのiPadに対して、よりタブレットらしい存在として、改めてiPad miniに注目が集まり、人気が高まることが予想できる。これについては改めて詳しく実機でレビューしたい。

5. 時代を反映するiPad

イベントの最初に登場した新製品はiPadだった。アメリカでの価格は一般向けに329ドル、教育機関向けに299ドルと、非常に価格を抑えた製品で、「最も人気のあるiPad」と常に紹介される存在だ(日本での価格は一般向け税込3万9800円、教育機関向け3万6800円)。

今回の刷新ではA13 Bionicチップの搭載、カメラ性能の刷新、室内の光とホワイトバランスを一致させて目に優しい表示を実現するTrue Toneディスプレー、そしてビデオ会議などでつねに自分を真ん中に表示できる被写体追尾機能「センターフレーム」付きのインカメラなど、上位モデルの機能をふんだんに盛りこんで、アメリカでの価格を据え置いた。

特にオンライン授業が日常に取りこまれる中で、正面にノートと鉛筆を配置して、右もしくは左斜め前に端末を置いて授業に参加する、という風景も当たり前となった。その際、自分の正面にiPadを配置しなくても、きちんと自分が大きく表示されるインカメラは、非常に有用だ。

これまでのラインナップ構成であれば、搭載する機能で上位モデルと下位モデルの差別化を行ってきた。しかしiPadのセンタステージは2021年モデルのiPad Proに搭載した最新機能を同じ年に廉価版iPadに採用したり、iPhone 13シリーズにProモデル譲りのセンサーシフト式手ぶれ補正を採用するなど、テクノロジーを惜しみなく採用してくるあたりに凄みを感じることができる。

実際、iPad、Mac、Apple Watchは2021年に大幅に売上高を伸ばしてきたカテゴリーであり、より強く顧客をつかむ「チャンス」であるとの認識もあるはずだ。今回の新ラインナップがどのような結果を生むのかは、2022年1月末の決算で答え合わせができるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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