「日経平均3万円超」で、今すぐに株を買うべきか

本当に海外投資家は日本に期待している?

それはさておき、8月20日に日経平均が2万7000円をわずかに割り込んだ局面では、多くの個人投資家が「もっと株価が下抜けていくのではないか」とおびえ、逆に9月に入って足元では「早く買わないともっと上がってしまうのではないか」と慌てふためいているようだ。

実は右往左往(株価は上下に動くから、上往下往?)しているのは、そうした個人投資家だけではない。以下、内外投資家のドタバタと、それを踏まえて「日経平均は今からいったん下振れする」となぜ見込んでいるのかを説明したい。

海外投資家はどう行動した?

足元の日本株の急騰について、とくに弾みがついたイベントは、9月3日に菅義偉首相が自民党総裁選挙不出馬を表明したことだった。株価が上がり始めたのはそれより前だが、「日本の政治情勢が株価上昇要因だ」との解釈が主流となっている。

前回のコラムでは、日本の政治情勢についても触れている。「とくに菅義偉政権の経済政策に期待して株価が支えられているという状況ではない。逆にいえば、もし菅首相が交代したとしても、株価が下落することもないだろう」と、株価下落を見込んでいなかった。

その一方で「9月29日の自民党総裁選挙、その後と見込まれる総選挙(10月投開票か)が終わるまでは、結果が出ていない分だけ不透明で、日本株を大きく買い上げる材料にはならない」と書いた。筆者が接触している範囲での海外投資家の見解も、考え方の根本はこれと同様だと感じる。

では、誰がここ数週間、日本株を買い上げているのか。筆者は、直接内外投資家から株式の売買注文を受託する業務を営んでいるわけではない。本当に誰が買っているかは、そうした売買注文を実際に見ている人にしか、すぐにはわからないだろう。また、その立場にいる人たちも、自社に寄せられる注文しかわかるまい。

下記は、筆者が諸報道や自身による取材を基に推察した売買動向であって、後から統計によりいくばくか判明した部分以外は、実態に即していると信じてはいるが、事実そのままではないかもしれない。

それでもその推察を述べると、当初の株価の戻りは「先物の買い戻し」が主導したのだろう。これは証券取引所の統計で確認できる。

日経平均が一時2万7000円を割り込んだ8月の第3週は、海外投資家は日本株先物(日経225、TOPIX、マザーズなどの先物の総合計)を3453億円売り越していた。ただ、2万7000円割れで達成感が出て「利食い買い」に走ったためか、それによる株価指数反発で慌てて買い戻したためか、その後は8月第4週に3361億円の買い越しに一気に転じている。

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