「日経平均3万円超」で、今すぐに株を買うべきか 本当に海外投資家は日本に期待している?

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また、さまざまな情報を寄せ集めると、一部のプログラム売買が日本株の買いを発動させたようだ。これはまさに「機械的な買い」で、ネット上の報道を検索し、日本の政治に関連した単語が増えると、自動的に日本株を買った向きがあったと報じられている。

加えて、CTA(商品投資顧問)と呼ばれる海外投資家が買い出動したとの報道も目にした。CTAのうち、トレンドフォロワー、すなわち市況が上に動意づけば買い、下に勢いがつけば売る、というプログラムによるものだ、と推測されている。

こうした先物の買い戻しや、人間ではない投資家、つまりコンピュータプログラムによる買いは、日本の政治情勢が実態としてどうであるかなどに関係ない短期的な買い物であり、長続きするとは考えにくい。実際、菅首相の出馬断念表明の日を含む9月第1週は、海外投資家は先物を買い越したものの、その額は2955億円とその前週からはやや減少している。

人間の投資家が「疑心暗鬼」に陥った

では、短期的な機械などによる買いが一巡しつつあるとすると、そのあとの株価の上昇は、人間の投資家が買ったのであろうか。

実はここ数日、筆者のところには、海外投資家から寄せられる質問で増えているものがある。それは以下のようなものだ。

「自分自身の判断としては、別に自民党総裁選や総選挙の結果が出たわけではなく、また総選挙で与党が議席を増やすかどうかは疑わしく、別に日本株を大きく買い上げる必要はないと考える。大した経済政策も出ないだろう。しかし、実際の日本株は急騰している。これは日本の投資家が買っているに違いない。われわれ海外投資家は日本に住んでいないので気がついていないが、日本人なら『日本株は明らかに思い切って買いだ!』と誰でもわかる、政治面でわれわれが見落としている要因があるのか」

時折冗談を交じえて「そんなもんはねぇだ」という回答を返しているが、人間の海外投資家で足元の株価上振れに驚き、きっと国内投資家が自信と根拠を持って買い上げているに違いないと、焦った向きがあるようだ。

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