アコーディアvsレノ、株主還元騒動の顛末

「物言う株主」がねじ込んだ非情の要求

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2012年12月、PGMによるTOBに反対を表明する、アコーディアの鎌田隆介社長(撮影:梅谷秀司)

レノは、かつて「村上ファンド」で広報担当を務めた三浦恵美氏が率いる投資会社である。

アコーディアが同業のPGMホールディングスに敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられた2012年末以降、レノはアコーディア株を市場で買い集め、結果的にPGMによるTOBを阻んだ。その後もアコーディア株を買い増し、直近での保有割合は34.62%と3分の1を超えている。

旧村上ファンドの村上世彰代表が「物言う株主」としてメディアへの露出を繰り返したのとは異なり、レノは「メディアの取材にはいっさい応じられない」という姿勢を貫いており、現在もこの姿勢に変わりはない。が、8月5日に突如として自社ホームページを立ち上げ、アコーディア株主宛てにリリースを直接発信したり、HPに寄せられた質問にQ&Aで答えるなど、これまでとは一変して対外的な発信を強化している。

アセットライト戦略の狙い

投資会社であるレノにとって“出口戦略”は何より重要。アコーディア株を取得した2013年1月時点から、自社の株式を株主から買い付ける「自己株買い」を積極的に行うよう、アコーディア側に要求していた。ただ、アコーディアは同時に、PGMとのTOB攻防戦を勝ち抜くため、株主には純利益の9割を配当で支払う「配当性向90%」を約束。自己株買いの原資には限度があった。

そこでアコーディアが打ち出したのが、アセットライト戦略だ。ビジネスの軸足をゴルフ場の「保有」から「運営」に移し、バランスシート上で膨らんだゴルフ場の資産(アセット)を身軽(ライト)にするというものである。

具体的には、保有ゴルフ場134コースのうち90コースを、シンガポールで組成・上場する「ビジネス・トラスト」(投資信託の一種)向けに譲渡し、同社は譲渡金額を受領すると同時に、90コースの運営を受託する。資産譲渡で受け取った資金は借入金返済のほか、自己株買いの原資などにする。

8月1日にはビジネス・トラストの上場にこぎ着け、アコーディアはアセットライト化による資金1132億円を取得。うち450億円を使い、8月5日から9月1日までの日程で、最大3214万3000株(発行済み株式総数の30.5%)の自己株を1株1400円でTOB中だ。

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