アコーディアvsレノ、株主還元騒動の顛末

「物言う株主」がねじ込んだ非情の要求

3月下旬には、アコーディアが一連のアセットライト策を実現することを前提に、レノグループも保有する全株を自己株TOBに応募することで合意していた。何もかもシナリオどおり進んでいるように見えていた中、今回のレノの要求が飛び出した。

レノが要求水準を引き上げた舞台裏

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レノが公開した自社ホームページ。極めて簡素な作りで、「レノ」で検索してもたどり着くのは困難

レノが今回、アコーディアに突き付けた要求の内容は強烈だ。

アコーディアは一連のアセットライト施策推進に当たり、従来掲げていた「配当性向90%」という目標をいったん降ろし、「みなし配当性向(特別損益などを除く税引き後利益に対する配当の比率)45%」に半減させていた。

これに対して、アコーディアのアセットライト戦略に合意したはずのレノは猛反発。5月に開かれた決算説明会や、6月27日に開かれた定時株主総会に三浦代表が出席し、会社側に詰め寄った。

その後、アコーディア経営陣があらためて、配当に自己株買いも含めた「総株主還元性向90%」の方針を打ち出したことで、レノの反発も収まったかに見えた。アコーディアが5月に発表した中期経営計画の純利益目標に基づけば、今後2年(2015~16年度)の純利益合計は127億円。その90%に当たる114億円を配当や自己株買いで還元すれば達成できる。

しかし結局、レノは株主還元の目標を、「総株主還元性向」という純利益に対する配当や自己株買いの“比率”から、「今後2年で200億円以上」という“実額”に切り替え、その原資として新たに400億円以上の資産売却を求めてきた。アコーディアは従来想定していたよりも倍近い額の株主還元を迫られたわけだ。

アコーディアは134コース中90コースをビジネス・トラストに売却し、1100億円強のアセットライト化と、450億円の自己株TOBにこぎ着けたばかり。保有ゴルフ場はなお44コース残るが、買収から日が浅く収益化が不十分だったり、土地権利関係などが複雑ですぐには売却しにくいコースが少なくないと見られる。

それでも、アコーディア側は「残った44コースには収益性の高いコースも含まれる。巡航速度でも今後2年で最大320億円まではアセットライト化が可能と見ている。あとは、そこにどれだけ積み上げて400億円に近づけていくかだ」として、レノの要求に対して株主還元策の再検討を示唆していた。

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