河北省を本拠とする中国鉄鋼2位の河鋼集団。その中核上場子会社である河鋼股份は8月19日、2021年1~6月期の決算を発表した。売上高は前年同期比49%増の750億元(約1兆2683億円)、純利益は同2.2倍の15億元(約254億円)と、大幅な増収増益を達成した。
好業績の主因は、2021年前半に中国市場での鋼材価格が大幅に値上がりしたことだ。それに伴って製品の利幅が大きく改善した。また、1~6月期の河鋼股份の粗鋼生産量が前年同期比20%増の1407万トンに達したことも、業績拡大に寄与した。
だが、鋼材価格の値上がりはここにきて頭打ちの兆候を見せている。中国鋼鉄工業協会が発表する鋼材価格総合指数は、1~6月の平均値は138ポイントと前年同期より37%高かった。しかし6月以降は変動幅が縮小し、6月末時点の指数は143.5ポイントと5月末より0.4%低下した。
2021年後半(7~12月期)の見通しについて、河鋼股份は決算報告書のなかで、中国政府の環境保護政策と(それに伴う)粗鋼生産制限のリスクに言及した。中国政府は二酸化炭素(CO2)の排出規制などの環境対策を強力に推進しており、(生産過程で大量のCO2を排出する)鉄鋼メーカーへの圧力がますます高まっているからだ。
(訳注:中国の習近平国家主席は2020年9月の国連総会で、2060年までにCO2の排出量と吸収量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を実現すると表明。それをきっかけに、中国政府主導の排出削減策が次々に打ち出されている)
大手として生産削減に取り組む責務
中国のマクロ経済政策を統括する中国国家発展改革委員会と、鉄鋼業界を所管する工業情報化省は、2021年の粗鋼生産量を前年実績より減らすよう全国各省に通達している。そんななか(省別で最大の粗鋼生産能力を有する)河北省では、2021年1~6月の粗鋼生産量がほぼ前年同期並みの1億2200万トンに達した。河北省が中央政府の指令を通年で達成するためには、7~12月の粗鋼生産量を前年同期比16%減の1億650万トン未満に抑えなければならない計算だ。
河鋼股份は河北省最大の上場鉄鋼メーカーとして、生産削減に(率先して)取り組む責務を負う。中国鋼鉄工業協会が8月1日に発表したデータによれば、(河鋼股份を含む)主要鉄鋼メーカーの7月上旬時点の粗鋼生産量は、1日当たり平均で6月より5.6%減少している。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は8月20日
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