日本人は最低賃金を抑え込む事の弊害を知らない 労働者を買い叩き続ける限りデフレは終わらない

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最低賃金の爆上げが日本経済復活のカギになる? (写真:NOV/PIXTA)

最低賃金の引き上げ額が過去最大になるというニュースが注目されている。 正式には、9月になってから各都道府県の労働局長が最終決定するもようだが、平均で「時給930円」が最低賃金になる予定だ。

最低賃金については、これまでもさまざまな議論があり、日本の最低賃金はメキシコと同レベルだと報道されるなど、水準の低さが批判されている。政権が支持基盤である経済界に遠慮して最低賃金を上げることを躊躇しているのではないか、といった声も聞こえてくる。

その一方で、「雇用を守るのか、賃金を上げるのか」といった二者択一を迫る最低賃金引き上げ反対の声も数多く聞こえる。

最低賃金を大幅に上げることの是非や意味、最低賃金と景気の関係はどうなっているのだろうか。

「骨太の方針」で決まった「最低賃金1000円以上」?

最低賃金については、東洋経済オンラインの著者でもあるデービッド・アトキンソン氏などが中心になって、日本の最低賃金の低さの弊害について指摘している。実際のところ、「賃金の中央値・平均値と最低賃金の比率」を見てみると、日本はOECD(経済協力開発機構)の中でも、29カ国中25位(2018年)でメキシコやチェコと並んで下から3番目の低さになっている(東洋経済オンライン「日本の最低賃金『メキシコ並み』OECD25位の衝撃」、2020年7月23日配信)。

メキシコといえば、国民の40%が貧困層に陥ったという報道があったが、見方によっては一般の平均賃金に比べて、日本の最低賃金が際立って低いことを証明しているデータとも言える。それだけ、貧富の格差が大きく、最低賃金で暮らし続ける労働者、たとえば非正規労働者などの生活が、いかに苦しいものかを物語る数字といえる。

ちなみに、これを単純に「時給のドルベースの平均値」というデータで見てみると次のようになる。OECD加盟国の「最低時給額、2020年」(資料:OECD)。

・オーストラリア…… 12.9ドル
・ルクセンブルク…… 12.6ドル
・フランス…… 12.2ドル
・ドイツ…… 12.0ドル
・ニュージーランド…… 11.8ドル
(中略)
・スロベニア…… 8.4ドル
・日本…… 8.2ドル
・ポーランド…… 8.00ドル
・アメリカ……7.3ドル

たとえば、サラリーマンのランチ代の平均値を国際比較してみると、日本の賃金の低さが見えてくる。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」によると、日本のサラリーマンのランチ代の平均値は649円(新生銀行調べ)。これがニューヨークでは15ドル(約1650円)、中国の上海では60元(約1020円)だそうだ。

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