障害に負けず伝説となった「3人の音楽家」の輝き

交通事故で腕を失った後に再起したドラマーも

障害に負けず、素晴らしい才能を発揮した3人のミュージシャンの話を紹介(写真: Santiago Felipe/Getty)
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少なくとも、メダル獲得数やテレビ視聴率という点で、大成功のうちに幕を閉じた東京オリンピック。その閉幕から16日後の8月24日から始まった東京パラリンピックも、遂に閉幕の時を迎えました。

今大会では22競技・539種目が実施され、世界168の国と地域から約4400人のアスリートが参加。これは2012年のロンドン・パラリンピックを超え史上最大規模。また前回の夏季大会であるリオパラリンピックでは金メダルなしに終わった日本代表も、今回は大活躍を見せてくれましたね。

そんな東京パラリンピックに参加したアスリートたちは全て、様々な障害を乗り越えた者ばかり。そこには、不慮の事故や病気、先天的な疾患などに立ち向かい大舞台への切符を手にした、4400通りのドラマティックな人生が横たわっていたのは言うまでもありません。

意外と知られていない“パラ・ミュージシャン”たち

当然の如く、障害を乗り越え、栄光を手にした者はスポーツ界に限ったお話ではありません。例えば音楽界にも、少なからず存在します。そこで今回は、パラ・アスリートならぬ、“パラ・ミュージシャン”と呼ぶべき方々のお話を幾つかご紹介いたします。

パラ・ミュージシャンの代表的存在が、目の不自由なスティーヴィー・ワンダーや故レイ・チャールズでしょう。彼らの活躍が、世界中の多くの視覚障害者の皆さんに力を与えているのは言うまでもありません。

そうした力を与えた伝説的なミュージシャンの一人が、ジャズ・ギタリストの神様とも称される、ジャンゴ・ラインハルトです。1999年のウディ・アレン監督の映画『ギター弾きの恋』で主人公のギタリストを演じたショーン・ペンが劇中、ジャンゴと偶然出会い、気絶するというシーンが設けられていたほど、ジャズ・ギターを志す者にとっては“レベチ”な存在でもあります(YOUTUBEなどで、彼の超絶プレイを目にすることが出来ますので、是非!)。

伝説のパラ・ミュージシャン、ジャンゴ・ラインハルト(写真:William Gottlieb/Getty)

実はこのジャンゴ・ラインハルト、左手が不自由でした。1910年、ベルギー生まれのジャンゴ。両親は、かつてジプシーと呼ばれていたロマの旅芸人で、彼も幼い頃から旅回りを経験。10歳の頃には、ヴァイオリンやバンジョー、ギターなど複数の楽器を巧みに演奏するようになっていたと言われています。

そんな彼が18歳の時、旅先のキャラバンで火事が起こり、消火しようとした際、大火傷を負ってしまいます。その後遺症で右足に麻痺が残り、左手の薬指と小指が動かなくなってしまったのです。

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