障害に負けず伝説となった「3人の音楽家」の輝き 交通事故で腕を失った後に再起したドラマーも

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右利きのジャンゴにとって、弦を押さえる左手が不自由になったのは弦楽器奏者として、ギタリストとして致命的なものでした。それでもジャンゴはギターの弦の独特な押さえ方を修得し、ケガをする前以上の超絶プレイが出来るまでに技術を高めていったのです。

2本の指を失ったトニー・アイオミ

ヘヴィメタルの開祖とも言われる、ロックバンド=ブラック・サバス。オリジナル・ヴォーカリストが、近年ではMTVの人気リアリティ番組『オズボーンズ』で人気を集め、お笑い芸人=オジンオズボーンのコンビ名の由来ともなったオジー・オズボーンであることでも有名なイギリスのバンドです。このブラック・サバスのオリジナル・ギタリストが、トニー・アイオミ。

彼はプロ・デビュー前、生活のために板金工場でアルバイトをしていました。ある日、ベテランの板金工が退職してしまい、不慣れなトニーが板金の工程を担当することに。その際、誤って機械に右手を挟まれてしまい、中指と薬指の先を切断してしまったのです。

2本の指を失ったギタリスト、トニー・アイオミ(写真:Getty/Paul Archuleta)

ロック・バンドのギタリストとして成功するという夢を抱いていたトニーは、このとき、その夢を諦めようと思ったそうです。それを知った工場長が、入院している彼の元へ見舞いに訪れました。

このとき工場長は、レコード・プレイヤーと共に、前述したジャンゴ・ラインハルトのレコードを持参。工場長はそのレコードをかけながら「コレ、凄いプレイだろ。実はこのジャンゴ・ラインハルトというベルギー人も指が不自由だったんだ。それでもこんなプレイが出来るんだよ。だから君も夢を諦めるなよ」という言葉をかけたそうです。

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