菅首相、緊急事態宣言延長で「9月解散」困難に 自民は本格総裁選に、11月28日総選挙説も浮上

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8月17日、記者会見を終え、降壇する菅義偉首相(写真:時事)

コロナ感染爆発を受けて政府が8月17日、発出中の緊急事態宣言の対象拡大と9月12日までの期限延長を決めた。菅義偉首相が描いてきた再選戦略は崩壊の危機に瀕している。

9月5日のパラリンピック閉幕後も宣言が続くことで、9月上旬に衆院解散を断行するシナリオは政治的にも不可能となり、9月中の解散も困難とする見方が拡大している。自民党内では総裁選先行論が台頭し、無投票再選ではなく、対抗馬の立候補による本格総裁選に突入する可能性が強まっている。

秋の政局は大混迷に

与野党双方からは、9月をコロナ対応のための「政治休戦」として、解散も総裁選も10月以降に先送りし、状況次第では解散抜きの任期満了選挙とする「不戦論」も浮上。さらには、衆院任期満了ぎりぎりの解散で11月28日投開票とする案も取りざたされている。 

政局秋の陣はまさに大混迷の様相で、五輪後も内閣支持率が続落。菅首相の続投にも黄信号が点滅する状況だ。

政府は17日夕の対策本部で、東京など6都府県への緊急事態宣言の対象を13都府県に拡大し、16道県に増えたまん延防止等重点措置も含めて、期限も9月12日まで延長することを決めた。

菅首相は対策本部後の記者会見で、「何としても感染拡大を食い止める」と述べ、改めて外出の大幅削減などでの国民の協力を要請した。併せて、さらなるワクチン接種加速化と全国規模での抗体カクテル療法の実施などで、早期に感染を収束させたい考えを繰り返した。

ただ、対策本部に先立つ関係閣僚会議や政府分科会では、宣言の全国への拡大やさらなる期限の延長を求める声も続出した。全国宣言は「一部の県には過剰な規制となる」と菅首相が反対し、宣言延長の期限も政治決断の形で9月12日までとなった。

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