菅首相、緊急事態宣言延長で「9月解散」困難に 自民は本格総裁選に、11月28日総選挙説も浮上
菅首相は当初、8月中旬に感染がピークアウトして月末に宣言を解除、パラ閉幕後の解散断行を狙っていたとされるが、今回の宣言延長で解散先行論はほぼ消えつつある。
菅首相続投へのもう1つのハードルとなる自民党総裁選は、8月26日の総裁選管理委員会で日程が決まる。今のところ一番遅いケースの「9月17日告示―29日投開票」で、党員・党友投票も含めた本格総裁選とする方向が強まっている。
菅首相は17日夜の記者会見で、総裁選について「時期が来ればそれは当然のこと」と改めて出馬を明言。その一方で、解散については「最優先すべきはコロナ対策。解散の選択肢は少なくなっているが、その中で行っていかなければならない」と慎重な物言いに終始した。
場合によっては11月28日投開票も
そうした状況も踏まえ、解散と総裁選の順序や位置づけなどについて、与野党有力議員や政治アナリストの間でさまざまなシミュレーションが行われている。その前提となるのは以下のような政治日程だ。
①9月5日・パラリンピック閉幕、②同12日・東京などの緊急事態宣言期限、③同30日・自民党総裁任期満了、④10月21日・衆院議員任期満了、⑤同24日・参院静岡、山口選挙区補欠選挙。
このうち、②の緊急事態宣言の期限は再延長の可能性があり、③に伴う総裁選日程は17日告示・29日投開票が有力だが、状況次第では変わりうる。しかも、解散先行なら衆院選後まで凍結される可能性が高い。
また、⑤の衆院議員任期満了まで国会が開かれていれば、衆院選も先延ばしとなる。仮に10月21日の解散となれば、最も遅いケースでは11月28日投開票もありうる。さらに、9月中に国会を開かないままなら、同月下旬には公選法の規定で任期満了選挙の手続きが始まり、10月17日が投開票日に設定されるとみられている。
解散先行の場合、ありうるのは9月12日に宣言解除し、13日から16日の間の臨時国会召集で冒頭解散断行というケース。これは、総裁選を最も遅い17日告示・29日投開票に設定することと、13日から緊急事態宣言が解除されることが大前提だ。
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