ソリオ対ルーミー、売れ筋トールワゴン徹底比較 販売台数2位と14位、トヨタの販売力が際立つ

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ソリオの車体寸法(写真:スズキ)

以上のように両車を比較してみると、それぞれに特徴や優位点はあるものの、商品力にはさほど大きな差はないことがわかる。むしろ、ソリオは、燃費や走行性能ではルーミーよりいい。それでも、セールス的にルーミーが大きくソリオを引き離している背景のひとつには、購入ユーザー層の傾向にもあるのかもしれない。

トヨタとスズキ、それぞれの某販売店に聞いてみると、いずれも購入ユーザーに多いのは、まず「軽自動車から乗り換える子育て世代」だという。子どもが大きくなったり増えたりしたことで、より車内が広いクルマが必要になるなどの理由で購入する。一方、最近増えているのが、子どもが成人して独立し、大人数を乗せる必要がなくなった比較的年齢が高い世代だ。それまで乗っていた中型ミニバンなどから、よりコンパクトなクルマに「ダウンサイジング」する顧客も多いという。

ところが、こういったユーザー層が比較検討するモデルは、コンパクトトールワゴンだけではない。例えば、コンパクトカーのジャンルでは、圧倒的なシェアを誇るヤリスを筆頭に、ミニバンスタイルのトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」なども売れている車種だ。また、子どもを乗せなくてよく、4人定員で十分ならば、維持費を考えると軽自動車という選択肢もある。

競合車種も多く、販売店数の差も大きい

特に最近人気の軽スーパーハイトワゴンは室内も広く、使い勝手がいい。登録車も含めた新車販売台数で4年連続1位(軽自動車では6年連続)のホンダ「N-BOX」や、スズキでも「スペーシア」は高い支持を受けているモデルだ。これらがソリオと競合する可能性は十分ある。つまり、ダウンサイジングをしようとするユーザーにとって、比較検討できるモデルは多ジャンルにわたるのだ。

そんな中でルーミーが前述のように、2021年上半期(1~6月)の登録車新車販売台数で2位を記録した背景には、全国5000店舗以上といわれるトヨタの圧倒的な販売力もあるのだろう。一方、ソリオには競合するライバルが意外に多いことが考えられる。実際に同じスズキ車でも、軽自動車のスペーシアは、2021年上半期の新車販売台数で7万8698台を販売し、同時期におけるソリオの販売台数2万7251台の2.8倍以上も売れている。他メーカーのモデルだけでなく、自社ブランド内にも競合がいることが、いまひとつソリオの売り上げがぱっとしない要因なのかもしれない。

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