「ロッキー」大失速でも「ライズ」が絶好調の訳 前年割れ/前年超えと明暗分けた2社の違い
トヨタのコンパクトSUVである「ライズ」は、ダイハツの「ロッキー」と兄弟車だ。正確にいえば、ダイハツが開発・生産するロッキーをトヨタへOEM供給し、それをライズの名で販売している。そして、このライズとロッキーが非常によく売れている。
この2つのSUVは、2019年11月に発売開始されると、すぐに人気を集め、発売月の2019年11月の時点ですでに自販連の新車販売ランキング(乗用車ブランド通称名別順位、軽自動車を除く)でライズが4位、ロッキーが16位となった。
翌12月はライズが2位、ロッキーが16位。そして、翌2020年1月にはライズが1位を獲得する。
そのあとも安定して売れ続け、ライズは2020年上半期(1~6月)で1位、2020年通年(1~12月)でも2位を獲得した。OEMとはいえ、ダイハツの生産するクルマが登録車ナンバー1になったのは、ダイハツ史上初の快挙だ。
「カローラ」や「ノート」「プリウス」などのランキング上位常連モデルを退けての成績は、素晴らしいものだといえる。ちなみにロッキーのほうは、2020年上半期が21位、通年で24位だった。ライズほどではないが、それでもダイハツの登録車としては十分以上のいい数字となった。
しかし、発売1年が過ぎて、様子が少しばかり変わってきた。
ライズは前年比100%、ロッキーは前年比60%
2020年中は販売ランキングのトップ3の地位を守ってきたライズであったが、2021年1月は7位、2月は6位、3月は6位、4月は4位と、トップ3に届かなくなってきたのだ。
しかし、販売台数が急激に落ち込んだわけではない。前年比でいえば、1月と2月こそ約70~80%であったが、3月と4月は100%以上に販売成績を戻している。しかし、ロッキーは苦しい。1月は28位で前年比67.1%、2月は29位で63.1%、3月が34位の51.4%、4月が31位の59.8%と、ジワジワ数字が悪くなっているのだ。
とはいえ、ロッキーだけが、ひどく悪いわけではない。昨年2月に登場したホンダ「フィット」も苦戦中だ。2021年2月は12位で前年比70.3%、3月は10位で62.2%、4月が17位の37.4%。同じコンパクトSUVで、昨年6月に登場した日産「キックス」は1月が15位、2月が14位、3月が21位、そして4月が27位と、やはり順位を落としている。
では、なぜ、ロッキーが苦戦しているのに、ライズだけが販売をキープできているのだろうか。
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