「なんでも大ごとにしてしまう上司」に欠けた視点

人はネガティブな声ほど過剰な反応をしがち

往々にして、1つの事象がすべてであるかのように受け止めて、過剰な対応をとるということが発生します。とくにネガティブな声の場合はその傾向が強まります。予兆は予兆として大切にするものの、騒ぎすぎないよう注意しましょう。

(出所:入社1年目から差がつく問題解決練習帳)

どう調べればいいのか

それでは、次の例題に取り組んでみてください。

あなたは、1000名の登録会員をもつ、あるWEBサイトを運営しています。今回、サイトのリニューアルを行ったところ、使い勝手が悪くなったという声が会員から上がってきました。予兆として、使い勝手が悪くなったという情報を得たことになりますので、実際に、多くの会員が同じように感じているのか情報を収集するべく、アンケートを実施したいと考えています。さて、何名からアンケートがとれるといいでしょうか。

理想は、1000名全員の情報収集ができることが望ましいです。登録している全員から情報が得られればそれが「すべて」になるからです。

統計の世界でも、全数を調査するというアプローチがあります。しかし、全員から情報を収集することは労力もかかるため、例えば、100名であるとか、300名であるとか、全対象の一部の情報から全体を推測するといった手法もよく使われます。また、時間がなく、費用もかけられない、でも、何も調べないよりはいいので、とりあえず20名に聞いてみるということもあるでしょう。

ここで大切なことは、全員に対して、どの程度の割合の情報を得ているかをきちんと理解していることです。20名の場合は、全体の2%の人の声しか聞けていない、100名の場合は、10%の人の声は聞けているということをしっかりと理解したうえで、調査結果に解釈を加えていきましょう。

例えば、前者の場合は、ある傾向が見えたとしても2%でしかないので、少し慎重に判断をする必要があります。逆に、後者の場合は、全体の10%には聞くことができているので、ある程度見えてきた傾向を信じてもよさそうです。このように全体に対して、どの程度の割合の情報を得ているのかということを押さえて、解釈の程度をきちんと考えるようにしておきましょう。

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