お金が貯まらない「食費の多い人」が今すべきこと 食品ロス・食費削減は毎日100円の注意でかなう

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先に食品ロスの金額が月5000円と算出されていたが、それだけの額を節約できるだろうか。普通の家庭で、いきなり今より5000円のマイナスは非現実的だろう。しかし、これをもう少し細かく日割りにしてみると、現実味が出てくる。5000円÷30で約167円なので、1日167円分の買い物を減らせば実現できるのだ。

それでも5000円は厳しめだからと3000円に下げれば、毎日100円の節約でいい。この金額なら、スナック菓子を1つ減らすだけでも手が届きそうだ。

なお、余計なものを買わないためには、冷蔵庫の中やストック品を確認してから出かけることが効果的だ。日々使う食材や、セールになりやすい加工品など、つい手が出てしまうものは家庭ごとに決まっている。帰ってきてみたら同じものがあった、というパターンは実に多く、それが買いすぎの要因になる。買い物に行く前に冷蔵庫をのぞくという、そのワンアクションだけで100円~167円削減が現実に近づく。

また、出かけるタイミングも重要だ。食事作りのための買い物とは、かなりの頭脳労働といえる。棚に並んだ食材を見ながら、何が作れるかと考えたり、メインが決まったら今度はサブのおかずをどうするか、特売品は今日買うべきかなど、考えなくてはならない案件がたくさんある。だからこそ、疲れているときや空腹時は買い物厳禁だ。

吟味せずにどんどんカートに放り込んでしまって、それが買いすぎにつながってしまうからだ。空腹時間ならあめ玉でもチョコレートのひとかけでも口に入れて出かけるといい。

「あったら使うかも」がロスのもと

次は、買い物現場での注意点だ。食費を節約するにはまとめ買いがいいか、それともその都度買いかとよく聞かれるが、筆者は後者と答えている。まとめ買いは必要量以上に多く買いがちで、それが食品ロスにもつながりやすいからだ。

とくに、「あったら使うかも」という理由で買うのは要注意。まとめ買いの代表的手法「3品よりどり1000円」でも、その考えが浮かびやすい。不必要なものを数合わせで買おうとすると、出てくる言葉が「あったら使う」となる。あったらいいは、なくても平気の裏返し、と覚えておこう。

大量パックの商品も、食品ロスの視点からは要注意だ。割安だからとそちらを選ぶ人もいるが、購入後速やかに下処理することが必要だからだ。1食分ごとに小分けして、すぐ使わない分は冷凍をして──という作業を面倒くさがる人には向かない。

また、マヨネーズやケチャップなどの調味料も、セールになりやすい大きめサイズを選んでしまうと、期限内に使い切れずに処分する羽目になる。家族の人数や消費量に合わせて使い切れるサイズを選ぶほうがいい。コンビニや100均の食品コーナーなら、スーパーよりも一回り小さいサイズが売っている。割高と感じても、そっちを選んで使い切るほうが財布も気持ちもスッキリする。

買い物を終えてレジに並ぶ前にも一作業しよう。カートの中にある食品の数をカウントしてみるのだ。単純に数を数えるだけだが意外に効果的だ。自分が何品買おうとしているか確認できるし、思っていた以上の品数だと気づくだろう。本当に必要な物ばかりなのかを確認し、もしここで一品、100円程度の商品を売り場に戻せば、月5000円削減に近づける。

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