名古屋市長「メダル噛み」が余りにもタチが悪い訳 主役は選手、サービス精神でなくただの自己顕示欲
選手たちの奮闘とメダルラッシュで、コロナ禍に沈んでいた日本中がひさびさに沸く中、水を差すようなニュースが流れてしまいました。
8月4日、ソフトボール日本代表として金メダルを獲得し、「レジェンド・上野由岐子さんの後継者」とも言われる後藤希友選手が地元の名古屋市役所を表敬訪問。これに名古屋市の河村たかし市長は感謝状を渡したほか、「おめでとうございます」と称えたところまではよかったのですが、金メダルをかけてもらった際、おもむろにマスクを外し、金メダルを噛むパフォーマンスをしたのです。
あまりの非常識な振る舞いに世間の人々だけでなく、アスリートや芸能人たちからも批判の声が止まりません。河村市長は、「最大の愛情表現だった。迷惑をかけているのであれば、ごめんなさい」というコメントを出しましたが、むしろ批判の声はヒートアップし続けています。
河村市長の振る舞いに問題があったのは間違いありませんが、ではどこにどんな危うさがあったのか。「ビジネスパーソンのみなさんには反面教師にしてもらいたい」という意味を込めて、具体的に掘り下げていきます。
「人として間違っていた」3つの論点
真っ先に挙げておかなければいけないのは、現在ネット上で「そもそも人として間違っていないか」と指摘されている3つの論点。
まず、「人の所有物を同意なく勝手に噛む」という行為は、幼稚園児でも「間違っている」と認識できるレベルのことでしょう。しかもアスリートにとって金メダルは努力の結晶であり、チームメートと勝ち取った大事なもので、「本人は傷つかないように慎重に扱っている」と思うのが普通の感覚です。
次に、20歳の女性に対する男性リーダーの対応としての問題。多くの人が「セクハラやパワハラに当たるだろう」と考えてしまうレベルの行為であり、それに気づかないからこそ「人として間違っている」とまで言われているのです。たとえば、相手が男性のレジェンド選手だった場合、河村市長は同じような行為に至ったでしょうか。「相手が気分を害するかもしれない」という意識がまったくない今回の行為は、「日常的にセクハラやパワハラを行う人」と思われても仕方のないことなのです。
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