名古屋市長「メダル噛み」が余りにもタチが悪い訳 主役は選手、サービス精神でなくただの自己顕示欲

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最後にもう1つ挙げておかなければいけない問題は、名古屋市民を失望させ、怒りの感情を抱かせてしまったこと。

2次的な被害者となった名古屋市民

地元住民らしき人がツイッター上に「河村たかしと名古屋市は一切関係がありません」と書き込んでいたほか、「こんな人物がトップなんてかわいそう」と哀れまれたり、「何で名古屋市民はこの人を選んでしまったのか」とバカにされたりなど、事実上の2次被害者となっています。

「すぐに辞任すべき」などの過激な声の正当性はさておき、映像や画像が繰り返されたことで後藤さんと同年代の女性たちは、「市長のことを単に気持ち悪い人としか見られなくなるのではないか」という懸念が浮かび上がっています。

さらに、苦情が殺到している区役所の職員たちも、今回の被害者。もともとメディアへのアピールが多いタイプの市長だけに、事後処理を行う部下たちの手間と心労は他の自治体よりも大きいのではないでしょうか。

余談ではありますが、名古屋は私もかつて住み、現在でも友人や恩人のいる地だけに、今回の件は残念でなりません。河村市長は後藤さんへのフォローはもちろん、世間ではなく名古屋市民へのリカバーを早急に行ったほうがいいでしょう。もっと言えば、「今後はアスリートの表敬訪問を控える」「お会いする場合はこちらから出向く」などの劇的な改善策を打ち出したほうがいいかもしれません。

ビジネスパーソンのみなさんにとって、今回の件は反面教師にならないレベルの行為かもしれませんが、地位や財力を手に入れ、年齢を重ねたとき……同じような失敗を犯さないとは限らないだけに、心に留めておいてはいかがでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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