肉汁は「にくじゅう?にくじる?」どちらが正解か あなたは大丈夫?意外と知らない熟語のルール
1 存亡の危機
2 存亡の機
正解は2の「存亡の機」です。
「存続するか、滅亡するかの大切な場合」を「存亡の機」と言います(「危急存亡の秋(とき)」とも)。
文化庁が行った平成28年度「国語に関する世論調査」では、「存亡の危機」を使う人が83%で、「存亡の機」を使う6.6%を大幅に上回っています。しかし、「存亡の危機」は間違いです。「存亡」とは、残るか滅びるかということ。一方、「危機」は「大変なことになるかもしれない危ういときや場合」です。
私は韓国ドラマが大好きで、よくDVDをレンタルしています。再生すると最初に新作の予告動画が流れるのですが、歴史物の作品紹介の中で「国家存亡の危機が訪れる」というナレーションとテロップを何度見聞きしたことか……。そのたびに少しだけもやもやしています。
「言葉は変化するもの」
1 別れ時
2 ちょうどいい時期
正解は2の「ちょうどいい時期」です。
ネガティブな意味に限定されるものではありません。したがって、恋人から「俺たち、そろそろ潮時だね」と言われた場合、「俺たち、そろそろ別れ時だね」という以外に、次のようなことも考えられます。「俺たち、結婚するのにちょうどいい時期だね」――真逆の意味になりますよね。
ただし、現在は「別れ時」の意味を使う人のほうが多いので、そちらで構えておいたほうが傷は浅いかもしれません……。
「言葉は変化するもの」です。発音・アクセント、意味や用法、漢字の表記や読み方など、以前は正しいとされていたことが、長い年月が経過する中で変化し、間違いになることもあります。その過程で、複数の語法が存在する「ゆれ」という現象も起こります。また、辞書によっても見解が分かれています。そのため、単純に「正しい」「間違い」とジャッジするのが難しいのです。
新人アナウンサー時代に教わったことが、12年経って驚くほどに変化していました。また、近年はSNSなどの普及により、誰もが気軽に広く世の中に発信できるようになりました。そのため、言葉が変化していくスピードが一層速くなっているように感じます。
今回掲載した言葉も、おそらく数年以内で変化するものが出てくるでしょう。言葉はその時代を映し、後世に歴史を伝える重要な役割を担っています。そのような変化も楽しみながら、あなたがいつも使っている言葉について考えるきっかけになればうれしいです。
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