ダイエット失敗者が知らない「食欲止まらない訳」 味覚が「鈍感」だと食べても満足感が得られない
こうした「デブ味覚」になると、濃い味の食べ物、脂肪の多い食べ物を好むようになり、どんどん太っていきます。たくさん食べても満足感が得られず、満足するまで必要以上のエネルギーを摂取してしまうため、なかなかやせることができないというわけです。
しかし、この「デブ味覚」さえ元の健康的な味覚に戻せば、ハードな運動や過度な食事制限をしなくても、食生活そのものが変わり、体は自然にやせていくのです。
苦味成分が「デブ味覚」を「ヤセ味覚」に変える
「デブ味覚」を「ヤセ味覚」に変えるためには、まず、舌の味蕾細胞の「苦味」を感じる機能を取り戻す必要があります。舌で苦味を感じることができれば、「苦味」がストッパーの役割を果たし、甘味を感じる機能が弱くなり、食欲が抑制されるからです。どういうことかご説明しましょう。
4つの基本味覚にはそれぞれ敏感さに差があり、なかでももっとも感じやすいのが「苦味」です。多くの毒物に苦味成分が含まれていますが、体には「苦味を感じるもの=有害物」と無意識のうちに察知し、“危険のシグナル”として避けようとする本能が強く備わっています。そのため、「苦味」は食欲を抑える効果があるのです。
舌が「苦味」を感じると、キャッチされた苦味成分は信号化され、脳の視床下部へと情報伝達されます。視床下部には食欲を調整する神経が2つあります。1つは食欲を高める神経であるアグーチ関連ペプチド産生神経(AgRP神経)、もう1つは食欲を抑える神経であるプロオピオメラノコルチン産生神経(POMC神経)です。
「苦味」の信号はこのプロオピオメラノコルチン産生神経に伝達され、甘味を感じる機能が弱くなり、食欲が落ち、少しの食事で満足できるようになります。その後少しずつ、 脂肪味の少ない健康的なあっさりした味の食事を好むようになっていきます。
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