アルフィー、「アナログ力」で次の10年も進化 顧客と仕事仲間をとことん大事にしていこう

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夏恒例のイベントは、近年、騒音問題や空き地の減少によって実施が困難になり、さいたまスーパーアリーナなど屋内で開催するようになったものの、2006年まではずっと野外での開催にこだわってきた。1986年8月3日、「TOKYO BAY AREA」と題した野外コンサートは伝説となっている。当時、まだ何もなかった東京湾埋立地(現在、フジテレビの向かい側)で、日本のアーティストとして前代未聞の10万人を動員したのだ。彼らのコンサート活動を語るうえで外せない快挙である。ちなみに、東京湾岸地区を「東京ベイエリア」と呼ぶようになったのは、このコンサートがきっかけらしい。

意外と知られていないのが、東京ドーム、東京国際フォーラム、パシフィコ横浜といった大きなコンサート会場のこけら落としをアルフィーが多数行っていることである。初めてコンサートを開く大会場は、音響や設備などの面で実験的要素があるため、さまざまな大会場でのコンサート経験が豊富なアルフィーの実績が買われるのだろう。

教訓:楽しみを知った顧客はリピーターになる

アルフィーはコンサートの演出面でもつねに新しい要素を取り入れてきた。ファッションショーとコラボしたり、照明の最新技術である「ドットイメージ」を日本でいち早く導入したり、新鮮な感動をファンに与え続けている。

メモリアルグッズのサインライト

ファンを大事にする彼らは、チケットにも並々ならぬこだわりを見せる。ほかのアーティストの公演では、コンピューター端末でチケットを発券するのが大半だが、アルフィーは「メモリアルチケット」と称し、公演のイメージをデザインしたチケットを発券している。

夏のイベントでは各公演ごとに「メモリアルグッズ」も作り、それはファンの思い出に残る貴重なものとなっている。先日のさいたまスーパーアリーナでのイベントでは、「サインライト」という光るライトが提供され、コンサートのハイライトで会場を埋め尽くす数万人のファンが一斉に点灯、幻想的な世界をファンとともに演出した。

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