「共感した!」を表現する、新しい投資スタイル マイクロ投資「セキュリテ」が切り開く応援型投資

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

猪尾さんは、中小企業金融の面でも新たな可能性があると言います。

どんなにすばらしい事業も、経済的な持続性なしでは成り立ちませんが、変化が早い経済社会において、どうしてもビジネスの事業タームが短期化する方向になっています。そのために長く時間がかかるモノづくりにおいては、リスクマネーの調達が難しくなってきているのです。

そこで、このようなファンドを通して、長く寝かせたお酒の価値を理解する個人投資家に、長いファンドの期間で投資をしてもらうことで、資金を調達できるのです。細かなニーズと細かなニーズを結び付けることで、このように資金調達の可能性が広がります。

投資のイメージを変えたい

セキュリテを通して、投資のあり方を変えていきたいと考えている猪尾さん。

「昔はファンドというだけで、詐欺だとか、ハゲタカだとか、そういうイメージをされる方もいたと思います。投資自体をギャンブル的なものとして見る人もいます。でも投資は、経済の中で新しいモノを生み出したり、必要なモノが拡大していくためには大事なことです。そのために、投資のイメージを変えていきたい。一人ひとりの投資が事業者の資金調達となっており、その資金があることで、ものすごく喜んでいる事業者の方々の気持ちをお伝えしていきたいです」

マザーハウスカレッジで語る猪尾さん

私たちは、経済社会に生きる一個人として、モノを買い、どこかで働き、おカネを貯蓄・投資するという経済活動を行っています。そして、それは経済人として価値観を表現する可能性を持っていることを意味しています。

たとえば、モノを買うときには、環境に配慮した商品を選ぶとか、考え方がすばらしい会社の商品を選んで買うなど、価値観を体現する機会も増えてきました。働くという点でも、自分の価値観に合った会社を選択することはできるでしょう。

しかしその点、投資はどうでしょうか? 今、すぐ使わないおカネは預貯金として置きっぱなしになっている人が多く、投資が自分の価値観を表現するツールだと思っている人は、まだ少ないのではないでしょうか? 

モノを買うだけでない、本当に社会に必要なモノを作り出していくプロセスに、投資を通して参画することができるのは、新しい経済人としての可能性だと思います。  

【お知らせ】
マザーハウスでは本連載のテーマである「モノにあふれた時代のモノ買い方、売り方」に合わせて、マザーハウスカレッジという、みなさんで議論する場を設けています。詳しくはこちらをご参照ください。

 

山崎 大祐 マザーハウス 副社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまざき だいすけ / Daisuke Yamazaki

1980年東京生まれ。高校時代は物理学者を目指していたが、幼少期の記者への夢を捨てられず、1999年、慶応義塾大学総合政策学部に進学。大学在学中にベトナムでストリートチルドレンのドキュメンタリーを撮影したことをきっかけに、途上国の貧困・開発問題に興味を持ち始める。2003年、大学卒業後、 ゴールドマン・サックス証券に入社。エコノミストとして、日本及びアジア経済の分析・調査・研究や各投資家への金融商品の提案を行う。2007年3月、同社を退社。株式会社マザーハウスの経営への参画を決意し、同年7月に副社長に就任。副社長として、マーケティング・生産の両サイドを管理。1年の半分は途上国を中心に海外を飛び回っている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事