「頭皮がにおう人・におわない人」の洗い方の差 夏だからといって「1日2回の洗髪」は洗いすぎ

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においに神経質になって洗いすぎると、皮膚の善玉菌がうばわれることで肌の健康が失われ、フケやかゆみなどの原因につながります。

地肌は髪におおわれており、直接よく見ることができません。そのためもあってか、地肌をいたわる意識が低い人が多いようです。「シャンプーのときにごしごし洗い、ドライヤーの熱風を当て、そのまま」という人が大半でしょう。顔は洗ったあとに化粧水・乳液をつけたり、ときには保湿マスクを使ったりと熱心にケアしている人が多いですが、地肌はほとんどの人がノーケアです。

地肌も顔も、皮膚の構造は基本的に同じなので、どちらも数週間の単位でターンオーバーしています。つまり新しい皮膚が生まれて、表皮から角質になり、最終的に「あか」となってはがれます。洗いすぎると必要以上に角質をとってしまうことになり、そこを修復するためにターンオーバーが早まります。

ターンオーバーが早くなりすぎると、不完全な角質が作られるため、はがれやすくなり、パサパサとしたフケが出てきます(「ひ糠性湿疹」ともよばれます)。「フケが出るから不潔」と思って余計に洗ってしまうと、さらに状況を悪化させます。

もうひとつ考えなければならないのが、表皮の「皮脂膜」です。毛穴から分泌された皮脂が「善玉菌」と混じって「弱酸性」の皮脂膜を作り、地肌をおおっています。これを頻繁にとってしまうと、菌やpHのバランスがくずれるなどして、表皮環境を悪化させます。ひどい場合は炎症を起こしてかゆみが出ることもあります。

体を毎日ボディソープでごしごし洗って何もケアしなければ、乾燥してかゆくなりますね。地肌はドライヤーを当てる分、さらに過酷な環境にあります。

どうすれば「かゆみ」はおさまる?

対処法は以下の通りです。

『美容皮膚科医が教える大人のヘアケア再入門』(青春出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

湯シャンなどを取り入れて洗いすぎを防ぎましょう。ドライヤーを当てる前に、地肌を保湿するのも一案です。地肌用の保湿オイルや美容液なども売られているので、それらを利用するのもよいですが、敏感肌の人であれば、顔用の乳液を使うのがおすすめです。普段、顔に使っているものでもOK。

顔用の乳液は、べたつかずのびがよいものが多いですし、敏感肌用など、いろいろなものから選べます。

髪が濡れた状態で、地肌に乳液をすりこんでからドライヤーを当てます。ドライヤーはあまり近くから熱風を当てずに、冷風をうまく使いながらゆっくり乾かすと、さらに地肌や髪へのダメージをおさえることができます。

吉木 伸子 皮膚科・美容皮膚科医院長

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よしき のぶこ / Nobuko Yoshiki

皮膚科・美容皮膚科「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。皮膚科医。1993年横浜市立大学医学部卒業、 同年慶応義塾大学病院 皮膚科学教室に入局。1994年浦和市立病院(現さいたま市立病院)皮膚科勤務。1996年埼玉県大宮市(現さいたま市大宮区)のレーザークリニック勤務。その間、アメリカ・オハイオ州クリーブランドクリニック形成外科、日本漢方研究財団附属渋谷診療所にて、美容医療および東洋医学の研修を行う。日本美容学校皮膚科非常勤講師を兼任。
1998年「よしき皮膚科クリニック銀座」を開業、現在にいたる。TV出演や雑誌の連載など多数。主な著書に『美容皮膚科医が教えるあこがれ「美人」のつくりかた』(日本文芸社)や『いちばん正しいスキンケアの教科書』(西東社)などがある。
 

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