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ビジネス #震災10年の津波被災地をたどる

鉄道とバス、MaaSの時代に「縦割り」でいいのか? 震災10年の津波被災地をたどる・仙台市近郊編

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震災により海岸部分が壊滅して以降、七ヶ浜町の行政や商業の中核は丘陵地へと移りつつある事情は、容易に想像できる。ミヤコーバスは、そうしたエリアをこまめに回る。ただ、汐見台中央などを経て、13時ちょうどに着いた終点の菖蒲田は、ほとんど何もない海岸べりだった。

七ヶ浜町民バス「ぐるりんこ」(筆者撮影)
JR本塩釜駅。この駅も津波で被害を受けた(筆者撮影)

菖蒲田からは、町民バスのパンフレットと地図を見比べつつ、時刻表を解きほぐして半島を一周する。まず、菖蒲田海水浴場前を13時42分に出る6系統(本塩釜駅発)に乗車。南岸を走り、途中、これも高台の住宅地にマメに立ち寄りつつ、13時53分に宮前というバス停に着く。すると13時57分に7系統(多賀城駅行き)が来て乗り継げ、仙台火力前など半島の北東岸を回れる。

14時14分に汐見台中央に着くと、多賀城駅行きの8系統が14時20分到着。北岸のまだ経由していないエリアを通ってくれる。14時38分に遠山地区避難所前に着けば、すぐ14時40分発の5系統本塩釜駅行きが姿を見せた。運賃は町内相互間100円、多賀城市や塩竃市内までまたがって乗ると150〜350円だ。

実情に合わせた柔軟な設定

そして、いずれもマイクロバスではあるけれど、これまで乗った公営バスの中ではひときわ利用客のにぎわいがあったのも印象に残った。地形が険しい土地柄であるから、自転車や徒歩では厳しい層がバスを頼っているのだろう。

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買い物や病院は隣の大きな市が頼り。多賀城市も塩竃市も実情に合わせ、柔軟に七ヶ浜町民バスの乗り入れを認めている。その反面、ミヤコーバスと競合する多賀城駅―汐見台中央間などの停留所間では、町民バスへの乗車を認めていない。民間バス会社への配慮だ。少ない要員とバスを有効に活用しつつ、実情に合わせた柔軟な設定を行っていると見てとれた。

著名な観光地である松島を目の前にして、今回は本塩釜駅で終了とする。鉄道路線がもともとなく、バスで巡らない限り実情がわからない地域ばかり。まだまだ被災地は広い。そして、公共交通機関には「縦割り」は馴染まない。頭を柔らかくして考えないといけないとも感じたのである。

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