「住みよさランキング2021」近畿・中部地区編 上位に入った自治体はどこが評価されたのか

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次に近畿ブロックの残りの各県内順位を見ていく。京都府内は京都市が1位。「利便度」(全国53位)と「富裕度」(全国46位)の評価が高い。「利便度」の指標のうち「可住地面積当たり飲食料品小売事業所数」(全国30位)が高スコアで、「富裕度」の指標のうち「人口当たり法人市民税」は大阪市と同じく偏差値上限70を獲得した。

兵庫県内は神戸市が1位。同市は、多くの企業や研究施設等がある産業都市で、また日本を代表する国際港湾都市でもある。「利便度」(全国43位)と「快適度」(全国63位)の評価が高い一方で、「安心度」においては評価が低く、指標の「20~39歳女性人口当たり0~4歳児数」の数値は0.34人で全国631位となった。この傾向は京都市・大阪市といわゆる京阪神で同じ傾向を示していた。どの市も低位に喘いでいる。

和歌山県内は御坊市が1位。市内には日本で2番目に短いローカル鉄道(紀州鉄道)が御坊駅と西御坊駅の2.7km区間を結ぶ。「利便度」(全国14位)の評価が高く、指標のうち「人口当たり飲食店数」は偏差値70を獲得して全国1位となっている。

近畿ブロックで躍進が目立った市は、滋賀県内2位の野洲市。今回の全国順位は60位で前回より160順位を上げていた。琵琶湖の南岸に位置し、大阪市まで(約65km)電車で1時間、京都市まで(約25km)電車で30分と至便な立地にあるために京阪神への通勤者も多い。

前回に比べ「快適度」(全国58位)と「富裕度」(全国67位)の評価が高く、「快適度」の指標である転入者を転出者で割った「転出入人口比率」(全国62位)と「富裕度」の指標「人口当たり法人市民税」(全国36位)が大幅に改善となり躍進へとつながった。

総合評価上位100位の約半分が中部ブロック

甲信越・北陸・東海の3エリアで構成されている中部ブロックには、2年連続で総合全国1位を獲得した石川県野々市市をはじめ、総合評価上位の都市が多くランクインする。野々市市は6月16日に発表した「全国総合トップ50」で触れているので、ここでは石川県以外の自治体に焦点を当てる。

愛知県内は長久手市が1位で、偏差値・順位ともに前回を上回り、ブロック順位は前回より4上げて2位。総合偏差値も前回より約0.5ポイント以上高かった。

2012年の単独市制施行の後も子育て世代を中心に人口が増え続けており、平均年齢(38.6歳)が日本で最も若い街である。「快適度」(4位)の評価がとくに高く、指標では「転出入人口比率」(25位)をはじめ「快適度」ですべての指標が平均を上回っている。

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