新型「シビック」のデザインに、ひと安心した理由 軌道に乗ってきた「ノイズレス」のデザイン

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ピラーの後方移動には、2つの理由がある。前方視界での水平方向の角度を広げて見やすくするためと、フロントノーズとキャビンの塊を完全に分けることで、自動車らしい美しさや力強さを表現するためだ。

フロントフードが先代より水平に近づいたことも目立つ。

これは、フード自体の高さが抑えられているためだ。先代では段がついていたフードとサイドウインドー下端のラインが、新型では一直線につながっていることからも低さが理解できる。もちろん、これも前方視界のよさにつながっている。

視界のよさは、コンセプトに掲げた爽快感につながる要素であり、開放的なデザインを生み出す源泉でもある。

ホンダは現行「フィット」でも、2本あるフロントピラーの前側を限界まで細くするなど、視界をよくする工夫を取り入れており、今のホンダのカーデザインで重要なポイントになっていることがわかる。

ドア付近のキャラクターラインも、以前とは明確に違う。先代は後方に行くほどせりあがるウエッジシェイプで、前後フェンダーの張り出しを強調するラインも加えていたが、新型は前から後ろまで、ほぼ水平のラインが貫いている。

こちらは2020年に日本に導入された現行「アコード」に似ている。前輪とキャビンを離した造形も、アコードがひと足先に取り入れたものだ。細かい部分では、サイドウインドー上端を走るクロームメッキのモールも、アコードに似ている。

サイド以上に変わったと思えるのが、フロントマスクだ。

ヘッドライトやグリルが大きく変わった。写真はホンダアクセス純正アクセサリー装着車(写真:本田技研工業)

LEDを用いた薄型ヘッドランプは吊り目具合が控えめになり、グリル周辺やヘッドランプ下のエアダクト風パネルなど、安っぽさを感じたディテールが姿を消して、ハニカムメッシュのグリルと開口部の大きなインテークからなる、上質かつ精悍な表情になった。

リアは、先代では鋭角的な形状のコンビランプやフロントと同様のエアダクト風ブラックパネル、中央2本出しマフラーなどでかなり鮮烈な出で立ちだったが、新型ではLEDの光らせ方にエッジを効かせつつも、落ち着いた横長のコンビランプを採用したことで、大人っぽい雰囲気になった。

左右の端がサイドウインドーのラインまで回り込んでいるリアゲートにも、注目すべきだろう。シンプルな見た目や大きな開口部だけでなく、視界のよさにも貢献するはずだ。

インテリアも「爽快」がキーワード

インテリアデザインは、爽やかで心地のよい移動ができる空間を目指したとのことで、ここでも「爽快」がキーワードになっている。

具体的には、不要な面や線をできるだけ排除するとともに、スイッチの触感にまでこだわって、気持ちの良い視界と“操作すること”が心地よい空間を作り上げたそうだ。

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