子どもが調子に乗るほど褒められる親が凄いワケ 親の言葉が「心のセーフティネット」になる

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しかし僕は、親だからこそ、その選別をしなくていいと思っています。おっしゃる通り、社会は厳しいものです。なんだかんだいって、成果が上がらなければ評価してもらえません。

Beingでほめることが心のセーフティネットになる

人を評価するとき、その対象はDoing とHaving とBeing の3つがあると言われています。

Doing は、行為に対する評価です。たとえば、「お風呂掃除をして、えらいね」というのがそうです。

Having は、持っているものや地位に対する評価です。「学級委員をやっているなんて、お母さんは誇りに思うわ」といったことです。

Being は、存在そのものに対する評価です。「あなたが何をしようがどういう状態であろうが愛している」ということです。

ほとんどの親は、子どものことをBeing で愛しています。たとえDoing もHavingも最悪だったとしても、心の底で存在そのものを肯定しています。ところが、言葉にするのは Doing と Having の評価ばかり。これでは「厳しい社会」と同じです。

社会はBeing で評価してくれず、Doing とHaving で評価します。会社で「お前はいてくれるだけでいいんだ」と言ってくれる社長なんていません。友達関係だってそうなのです。「一緒に過ごすと楽しい」というメリットがあるから仲良くしているのであり、逆に「愚痴ばかりで疲れるな」とか「おごらされてばかりだな」と思ったら人は離れていきます。

社会ではいやでもDoing とHaving で評価されるのですから、親くらいはBeing で評価することが重要なんです。「何をしたってあなたが大切なのよ、あなたは素晴らしいのよ」と言ってくれる人がいることは、心のセーフティネットになります。

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学校(や職場)でいじめにあったとき、親に相談できずに自殺に追い込まれてしまうという痛ましい事件はあとをたちません。それぞれ個別の事情があるので一概には言えませんが、Doing とHaving の評価ばかりされていると、いじめにあっていることを相談できません。「いじめにあっている自分」はマイナスでしかないからです。

しかし、「あなたは何をしても素晴らしいんだよ、大切なんだよ」というメッセージが伝わっていれば、親をはじめ周りの人に相談することができるでしょう。

ですから、親はジャッジしなくていいと思うのです。「社会は厳しいのだから、それをわからせるために自分も厳しくしないと」などと思う必要はありません。成果が出たときはほめて調子にのらせるくらいでいいし、失敗したときは「どうすればいいか一緒に考えよう」と言って支えてあげることです。

坪田 信貴 坪田塾塾長

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つぼた のぶたか / Nobutaka Tsubota

心理学を駆使した学習法により、これまでに1300人以上の子どもたちを「子別指導」、多くの生徒の偏差値を上げてきた。一方で、起業家としての顔も持つ。また、人材育成、チームビルディングへの知見を活かし、企業などにマネジャー研修、新人研修を行うほか、現在は吉本興業ホールディングスの社外取締役も勤める。テレビ、ラジオ、講演会でも活躍中。著書に映画化もされて大ベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』ほか多数。

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