天才の母語る「宿題終わった?」が子供へ禁句の訳 台湾IT相オードリー・タンを生んだ教育とは?

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次に、毎日子どもをよく観察すること。目の前にいる元気いっぱいの息子さんは、あなたの「理想の子ども」になろうと必死になっていませんか。もしそうなら、お子さんは自分に向き合う機会と同時に、自信や尊厳まで失っています。

親が「子どもが今何を感じているか」を受け止めなければ、子どもが自分らしくいることなど不可能です。それなのに、親の心に「理想の子ども」の影があると、子どもの真の姿が覆い隠されて、子どもが感じたこと、伝えたいことがうまく届きません。

この影を追い払いたければ、自分の本心と恐怖心に向き合う必要があります。やはり、まずは自分を見つめ直さなければならないのです。

宿題の成果を確かめるのはやめる

でもその前に、いったん子どもの宿題のことは忘れましょう。つまり、子どもに「宿題は終わった?」と聞いたり、宿題の成果を確かめたりするのはやめてください。

『天才IT相オードリー・タンの母に聴く、子どもを伸ばす接し方』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

子どもから話してきたときは喜んで話を聞けばいいし、質問されたら手伝ってあげればいい。「手伝ってばかりいたら怠け癖がつくのでは?」と心配する必要もありません。聞かれたことは答える。聞かれないなら構わない。いいですね?

あなたは「もし子どもが宿題をしなかったら?」とまた心配になることでしょう。でも今は人のことに構っている場合ではありません。長い時間はかかりませんから、まずは混乱した自分の心を整理するのです。

この空白の時間によって、子どもはお母さんが変わったことに気づき、さらに「自分は自分でいいんだ」と信じられるようになります。

子どもの成長は、大人によって大きく左右されます。もし子どもを自主学習の道に進ませたいなら、まずはあなたがお手本を見せないといけません。自主学習とは、実際に行動する勉強ですから、生活の中でやってみて初めて「自分らしさ」や「自己実現」の意味を知り、穏やかな心や勇気を手に入れることができます。

親愛なる子どものお母さん、それでもあなたの気持ちは変わりませんか。

もし変わらず自主学習の道を望むのなら、あるお父さんが作ったチェックリストをお教えしましょう。これなら通知表よりも広い視野でお子さんの成長を見つめられるはずです。

・お子さんの恐怖心は、小さくなっていますか? または消えましたか?
・お子さんは自分を肯定するようになりましたか?
・お子さんは楽しそうですか? 健康的で活発になってきましたか?
・お子さんはルールを守り、自分や他人を尊重するようになりましたか?
・お子さんの好奇心は保たれていますか? またはより強くなりましたか?
・お子さんはよく遊ぶようになりましたか?
・お子さんには仲のいい友達がいますか?
・お子さんの知識や一般常識が増えてきたと思いますか?
・お子さんは手を動かす作業が好きですか? またはその能力が成長しましたか?
・親子関係が前より良くなっていると思いますか?

もしこの質問の多くに「はい」と答えられるなら、心配はありません。お子さんは希望に満ちあふれていますよ!

李 雅卿 種子学苑創設者

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リー・ヤーチン / Li Ya-Qing

1954年中華民国(台湾)生まれ。自らの子育てやジャーナリスト、社会運動家としての経験をもとに、1994年種子学苑を創立。台湾の教育改革に取り組んだ。主宰した台北市の自主学習実験計画(中高一貫教育)は、ユネスコの研究者に「アジア最高のオルタナティブ教育」の一つと評された。夫はジャーナリストの唐光華。長子は台湾デジタル相のオードリー・タン、次子は自主学習を広める活動に従事している。

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