天才の母語る「宿題終わった?」が子供へ禁句の訳 台湾IT相オードリー・タンを生んだ教育とは?

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子どもの成長に寄り添うことも同じだと思います。先の見えない未来は、人を緊張させるものです。愛する子どもに苦労してほしくないと思う一方で、身代わりになれない無力感が親を余計に緊張させます。世間の目、身内からの言葉、夜中に飛び起きるほどの不安感……すべてが親の心を苦しめます。

子どもの未来を予知できる水晶玉があればどんなにいいでしょう! 残念ながらそんなものはありません。でも未来が予知できないからこそ、人は希望を抱き、努力を続けられるのではないですか。

この世のすべての子どもは、自分だけの目的や使命をもって生まれてきます。だからどんな命も、自分の道を見つけ、自分らしく成長する必要があります。親は途中までこの道に寄り添うことができますが、決して出しゃばってはいけません。

出しゃばっているかを確認する2つの質問

あなたが出しゃばっているかどうかを知りたければ、2つの質問に答えてください。

質問1 :あなたの心の中には「理想の子ども」像がありますか?

親は子どもに何を望むでしょう? 成績優秀で、真面目で、健康で、元気があって、頭の回転が速くて、優しくて、思いやりがあって、温厚で、柔軟性があって……挙げればきりがありません。

この「理想の子ども」が心の中に存在している限り、あなたは子どものあら探しをし、ほかの子と比べずにはいられません。そして子どもは「自分はダメなんだ」と感じます。こうなると、たとえコミュニケーションの技術をどんなに磨こうとも、子どもに自我を確立させ、自信をつけさせるのは不可能です。

質問2 :子どもの未来を考えると、不安になりますか?

子どもは将来食べていけるだろうか。まともな職を見つけられるだろうか。こんな基本的な勉強もできなくて大丈夫だろうか。「悪い息子」が育ったと笑われないだろうか。目的もない平凡な人生を送らないだろうか。

こうした不安がある限り、あなたはどうしても現状に不満を感じてしまいます。子どもが本来持っている素質や才能には目もくれず、ただ不安を相手に闘っているのです。

どうすればこの恐怖心を克服できるのか。まずは、親が自分に正直になることです。不安なら、不安でいいのです! 恥ずかしいと思う必要はありません。自分に腹を立てたり、変わりたい、逃げたいと思ったりせず、正直な気持ちで不安と向き合えばいい。変わりたいと思えば思うほど、不安はあなたに付きまといます。

人生を変える瞬間とは、自分の運命を悟り、余計な力を加えないときにこそ訪れるものです。私は自分の経験からそう思います。

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