「気楽で面白くて仕方ない」結婚をした2人の経緯 恋愛経験の少ない2人が作り上げる新生活

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一方の正治さんは若い頃から恋愛にも結婚にも興味がなかったと明かす。「生きるのが精いっぱい」だったからだ。

「両親は共働きで、私は小学校低学年の頃から鍵っ子でした。『行ってきます』も『ただいま』も言った記憶がありません。寂しかったのだと思います。そう感じてしまう自分のことも嫌いで、誰かと一緒に過ごすなんてことは考えられませんでした」

さきほど自宅まで筆者を案内しながら業務内容をきさくに話してくれた正治さんの意外な告白である。大学卒業後は現在の会社に入り、夜勤も深夜残業も厭わない生活を続けた。2018年に結婚相談所に入るまでは「ほぼすべての時間」を仕事と車に費やしてきたという。

なぜ結婚相談所に入ったのか

「好きな車種は初代プリメーラです。学生時代から憧れていて、入社2年目のボーナスで買いました。1年間で3万キロぐらいは走りましたよ」

そんな正治さんのどこが「旅行嫌い」なのかはわからない。おそらく海外旅行には行ったことがない、という意味にすぎないのだろう。男性には「未体験のことはしたくない。そんな時間とお金があったら熱中している趣味のほうに使いたい」というタイプが少なくない。つまり、晴美さんは国内旅行ならば正治さんとできる。どこまででも車で連れていってくれるだろう。

正治さんは結婚どころか恋愛も未体験のはずだが、なぜ結婚相談所に入って「本気の婚活」をしようと思ったのだろうか。その気になったのは2017年の年末のことだった。父親は数年前に他界しており、母が一人で暮らす東北の実家に帰省して寛いでいたときに「プッ」と湧き出てきた感情があった。

「今まで頑張ってきた自分をそろそろ認めてあげてもいいのかな、一人で生きていくことはやり尽くしたな、このまま一人きりでは成長はしないな、という気持ちでした」

ちょうどその頃、会社の後輩が別の大手結婚相談所で3年婚活して結婚を決めた。正治さんも「オレみたいな人でもマッチする女性はいるのかな?」と相談所のネット診断サービスを受けた。

48歳、大学卒、年収500万円、埼玉県在住などの自分のプロフィールを入力した結果、30代後半の看護師女性とのお見合いが可能だという。「釣り広告」にすぎないかな、と疑いつつも1年間限定で婚活をしてみようと関心を持った。

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