英国の小学校「超厳格コロナ対応」から学べること 消毒に次ぐ消毒、一定の距離確保などを徹底

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インタビューしたアン・ルイーズ・マッカーサーさんが勤める学校のホームページ(出所:スウェイルクリフ小学校HP)
6万5000人超の死者を出すなど、深刻なコロナ禍に見舞われたイギリスでは、今も厳しい状況が続いている。この春には全国的なロックダウン(封鎖)も段階的緩和に向かったが、再び感染者が増加。6月下旬に予定されていたロックダウンの完全解除は4週間延期された。教育現場でも忍耐と混乱が続く。3月から学校は再開されたものの、この間、教育現場はどんな状態だったか。イギリスのごく平均的な小学校の教員たちに「コロナ禍の学校」を語ってもらった。2回にわたりレポートする。

登校の時間も10分おきに違う

アン・ルイーズ・マッカーサーさんの勤務するスウェイルクリフ・コミュニティ・プライマリースクールは、イギリス東部・ケント州の公立小学校だ。彼女はこの道32年のベテラン教員。現在は6年生を受け持っている。小学校と中学校、特別支援教育の資格を有し、イギリスのほかにオーストラリアの学校でも教壇に立ってきた。そうした経験を踏まえてもコロナ禍は前代未聞の経験である。

――学校では、どんな感染防止策を採用してきたのでしょうか。例えば、昨年9月の新学年開始時からは、それまでの「オンライン授業のみ」ではなく、対面も始まりました。どんな感染対策をしていますか。

インタビューに応じたアン・ルイーズ・マッカーサーさん(本人提供)

教員は全員、マスク着用を義務づけられ、私はフェイスシールドを使っています。教室へ出入りするときは必ず手指を消毒。子どもがくしゃみをしたら、その子は教室から出て手を洗い、消毒します。

私は、プリントを配布する前にも手指を消毒。机の消毒も定期的に行い、昼食の前後には特別なスプレーで消毒します。飛行機の客室などで使われる産業用消毒スプレーを導入し、教室や机などあらゆるものを消毒しているんです。とにかく1日中、消毒に次ぐ消毒です。

教員は、職員室に行くことはできますが、1回の在室時間は15分。1回の入室人数も制限され、室内でもお互いに一定の距離を保たなくてはなりません。入室と退室のときは手指を消毒、電気ケトルも使う前と後にハンドルを消毒します。水道の蛇口や冷蔵庫の扉、電子レンジもです。

こうした結果、昨年9月以来、私とクラスの生徒たちは、完全な「バブル状態(他の児童との交流を避ける状態)」にあるわけです。登校時間もクラスごとに、10分おきに違います。担任が門まで自分の生徒を迎えに行き、全員を教室まで連れてくる。その10分後に次のクラスが到着するという流れです。

時間が決まっているので、ほかのクラスの生徒とは会わないようになっています。休み時間の校庭も、クラスごとにエリアが決められていて、やはりほかのクラスとの距離を保つようになっています。この状態は、少なくとも今年の7月まで続きます。

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