英国の小学校「超厳格コロナ対応」から学べること 消毒に次ぐ消毒、一定の距離確保などを徹底

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――徹底していますね。ほかにはどんな対策を?

学年ごとに休憩時間と昼食時間を別々に設定しています。校庭を使える時間も学年ごとに別。ですから、午前10時半から午後2時半まで、ほぼつねにほかの学年の子どもたちが校庭に出て遊んでいるわけです。感染防止のため、教室のドアと窓は全開にしているので、その音が教室中にもろに響き、授業がやりにくい面もありました。

冬には膝掛けを持ってくるよう生徒に言いましたが、家から持ってくる物は72時間隔離する決まりです。膝掛けも同じ。持ってきても3日間は使えません。安全面はとても厳しく、生徒も職員も物の貸し借りは禁止。教員を含め、複数人で1つの物を使ってはいけないというルールがあるんです。そのため、体育でも球技などはいっさいありませんでした。

――教員の仕事ぶりも相当に変わったのではないでしょうか。

そのとおりです。例えば、生徒が回答を書き込んだテキストブックは、48時間も箱に入れて隔離しなければなりません。採点が終わったら、また48時間隔離して、生徒に返却します。私たちがテキストブックにスタンプを押したり、(課題に対する評価を)書き込んだりしても、生徒は家に持ち帰ることができません。

生徒と1対1の対面で話したり、隣に座って説明したりすることも禁止です。つねに一定の距離を保たなければならない。

つねに距離を保ちながらの授業は難しい

生徒を指名してホワイトボードに書いてもらうこともできません。複数人が同じものに触れてはいけないわけですから。つねに距離を保ちながら授業を維持するのは、本当に難しいです。

スウェイルクリフ小学校では、コロナ禍の行動基準が厳しい。前述のとおり、教員の行動範囲にも詳細で厳格なルールが設定された。それでも、保護者や地域からの不安は消えない。中学校に兄弟姉妹がいる児童が小学校に来ることを危惧する保護者もいたし、子どもたちもそれを心配していたという。それに対し、学校側は、心配だったら無理に登校する必要はないと伝えていた。

――それでも感染者は出たそうですね。

そうなんです。私のクラスで発生しました。昨年の秋です。とにかく驚いて……。まず、母親が濃厚接触者でした。本来であれば、濃厚接触者になった保護者は学校にそれを報告し、PCR検査の結果が出るまでは子どもを休校させる決まりですが、そのまま登校させていたんです。結局、母親が陽性とわかり、その瞬間に子どもはすぐに帰宅させました。その後、子どももPCR検査で陽性と判明したんです。

子どもの結果が出たのが日曜日。つまり、その子はその前からすでに陽性の状態で学校に来ていたことになります。私自身、その子が触れたグラスに触ったり、授業で近くに寄ったりしている。今度は自分自身が心配になります。私の家族も、わが子のベビーシッターさんなども含め、自分が接した人を特定しなくてはなりませんでした。私のパートナーも教員なので、私が原因で別の学校に感染が広がる可能性もあったわけですから。

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