不登校の僕を救った母の「好きにしなさい」の一言 俳優・ゆうたろうさんが振り返って語る
――不登校になった当時の状況を教えてください。
中学1年生のなかばから学校へ行く意味がわからなくなり、不登校になりました。入学当初から、クラスになじめないと置いていかれるような空気感があったので、男子数人とグループ行動をしていたんです。ですが、移動教室や休憩時間など、つねにみんなで行動しなければいけなくて、なんとなくしんどさを感じるようになりました。
それと、深夜のバラエティ番組のようなお笑いネタや下ネタをふって、みんなで盛り上がるような独特の男子のノリが苦手だったんです。テレビの世界をそのまま持ち込むと、いじめとまではいかなくても過激ないじりになることがあるし、それをイヤと言えない雰囲気にも疑問を感じていました。最初は僕もみんなに合わせていたのですが、だんだんグループから離れるようになりました。
それからは学校では一人行動をすることが増えたのですが、そうしているうちにふと思ったんです。「僕は学校に何をしに来ているんだろう」、と。将来の目標や夢があるわけでもなく、学びたいことがあるわけでもなく、友だちをつくりたいわけでもない。
学校へ行く意味わからなくて
今後生きていくなかで、10代の時間ってすごく大事なはずなのに、24時間の3分の1を学校に費やすのって、「はたしてなんの意味があるのだろう」、という疑問が湧いてきたんです。
そう考えるようになったら、学校に対する意欲が急に冷めてしまって。しだいに学校から気持ちが遠のき、遅刻する日が増えていきました。先生からは「学校に来てくれるだけでいい」と言われていましたが、遅刻してまで学校へ行く意味すらわからなくなってしまって、中1のなかばにはプツンと糸が切れたように行かなくなりました。