「わが子を信じて腹をくくる」それだけでいい

「大人の不安」が子どもの自信を奪っている

親はどうやって子どもを支えていけばいいのでしょうか。「フリースペースたまりば」理事長・西野博之さんの講演をふり返ります(写真:不登校新聞)
2020年10月11日、愛知県豊田市にて「フリースペースたまりば」理事長・西野博之さんの講演が行われた(主催・不登校を考える豊田の会まちあいしつ)。講演では昨今の社会状況をふり返りながら、親はどうやって子どもを支えていけばよいかがテーマとなった。抄録を掲載する。

子どもたちの「生きづらさ」は強まっている

こんにちは、西野です。今日は、みなさんに「大丈夫」を手にいれてほしいと思っています。「いやいや大丈夫じゃないです。子どもが不登校になって、この先が心配でたまりません」という声も、もちろんあるでしょう。でも、今日の話を聞いて、「大丈夫だ」という気持ちになっていただけたら、うれしいです。

当記事は不登校新聞の提供記事です

まずみなさんと共有したいのは、この社会はここ数十年のあいだにどんな変化があったのか、ということです。あれは1980年代だったでしょうか。中学生が学校でタバコを吸いながら校舎を歩いていました。窓ガラスを割りまくっていました。校庭をバイクで走りまわっていました。そんな時代がありました。

今では中学生も高校生もすっかりおとなしくなりました。先生を殴らない。窓ガラスなんか割らない。だけど、自分より弱い生徒に暴力を向ける。そんな社会になっています。

いじめの数は、文部科学省にまで届いただけでも年間約61万件です。先生が気づかないいじめなんていくらでもありますから、これは氷山の一角です。そして61万件のいじめのうち、約48万件は、小学校で起きているんです。しかも重大事態の発生件数は約720件。命にかかわるようないじめが、年間720件も起きている、ということです。

小中学生のなかでいじめが一番多いのは何年生かわかりますか? 正解は、小学校2年生。いじめが驚くほど低年齢化しています。小さなころから、子どもたちはストレスをためている。社会のありようや、目に見える子どもたちのありようは変わっても、子どもが抱えている生きづらさは変わっていない。むしろ強まっているように見えます。

では、なんで子どもたちは苦しんでいるのか。苦しんでいる子どもたちの特徴のひとつに「自己肯定感の低さ」があります。令和元年版の「子供・若者白書」では「自分自身に満足をしているか」という質問に対して、堂々と「満足している」と答えられた日本人は10%しかいません。

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