大幅赤字に転落した日本郵船、今11年3月期黒字計画の「真実味」
バラ積み船の海運市況の前提は以下の通り。ケープサイズはD/W(デットウエート。載貨重量)15万トン以上の大型船。パナマックスはパナマ運河を通航できる最大船型でD/W6万~7万トン級の中型船。
ケープサイズ 上期 下期 通期
日本郵船 4万ドル 4万ドル 4万ドル
商船三井 4万ドル 4万ドル 4万ドル
川崎汽船 − − 3.5万ドル
(注)いずれも4航路平均
パナマックス 上期 下期 通期
日本郵船 2.2万ドル 2.2万ドル 2.2万ドル
商船三井 3万ドル 2.4万ドル 2.7万ドル
川崎汽船 − − 2万ドル
(注)日本郵船は太平洋ラウンド、商船三井や川崎汽船は4航路平均
ケープサイズの前提は商船三井と同じで、川崎汽船よりは5000ドル高い。足元のケープサイズは5万ドル前後だが、4月1日からの期初来平均は3万4132ドルで、日本郵船の今期上期や通期の想定よりはまだ約6000ドル低い。
一方、パナマックスの期初来平均は3万1826ドルで、日本郵船の想定よりも1万ドル近く高い。フリーポーション(スポット運賃での運航比率)はケープサイズが1割、パナマックスが2割。ケープサイズは業績の下振れ要因、パナマックスは上振れ要因となりそうだが、差し引きでどっちに振れるかは、現段階では何ともいえない。