グリーンランド危機を回避、「トランプ米大統領の扱いに長けた人物」との異名を持つルッテNATO事務総長の手腕はどこが優れていたのか

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写真は1月21日、スイスのダボスでNATOのルッテ事務総長と会談するトランプ米大統領(写真:ロイター)

北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は、「トランプ米大統領の扱いに長けた人物(Trump whisperer)」との評価を確固たるものにした。デンマーク自治領グリーンランドを巡ってトランプ氏と欧州諸国の緊張が沸点に近づく中、直接会談で欧州8カ国への追加関税の撤回を取り付けるのに成功したのは同氏の外交手腕の成果とみられている。

NATOを崩壊の瀬戸際から引き戻した

世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が開かれているスイスでルッテ事務総長と会談したトランプ氏は、ルッテ氏と北極圏全体に関する「将来的な合意の枠組み」に合意したことは「米国、そして全てのNATO諸国にとって素晴らしいものになる」と述べた。

詳細はほとんど明らかになっていないが、合意はNATOを崩壊の瀬戸際から引き戻し、外交的な勝利だったと、外交官や政治アナリストは指摘する。

14年間オランダの首相を務めたルッテ氏は、トランプ第1期政権時代に同氏と良好な関係を築いた実績から、2024年のトランプ氏再選の1カ月前にNATOトップの職に就いた。その時点ですでに、欧州の新聞で「Trump whisperer」として取り上げられていた。

ルッテ氏の戦略は繊細でも巧妙でもない。他の欧州首脳がトランプ氏に対して批判的な姿勢を強める中でも、トランプ氏に惜しみない賛辞を送ることを基盤としている。

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