大幅赤字に転落した日本郵船、今11年3月期黒字計画の「真実味」
日本貨物航空(NCA)を中心とした航空運送事業の部門経常利益は、通期で3ケタの赤字が6期続いている。四半期ベースでも2ケタの赤字が18四半期連続で続いている。ただ、荷動きの回復で今年1~3月期は14億円まで部門赤字が縮小している。会社計画では、今期27億円の赤字と通期ベースの赤字が初めて2ケタ台にまで縮小する見通しだ。JALは10月末をメドに貨物専用機事業から撤退するため、顧客流入によりNCAに貨物増の追い風となる可能性があるが、会社側はこのJAL要因を織り込んでいない。
航空運送部門の経常利益の四半期ごとと、年度ごとの推移は以下の通り。
05年10~12月期 ▲10億円
06年1~3月期 ▲38億円
同4~6月期 ▲39億円
同7~9月期 ▲46億円
同10~12月期 ▲35億円
07年1~3月期 ▲64億円
同4~6月期 ▲57億円
同7~9月期 ▲83億円 ←四半期ベースで最大の赤字
同10~12月期 ▲47億円
08年1~3月期 ▲45億円
同4~6月期 ▲23億円
同7~9月期 ▲36億円
同10~12月期 ▲55億円
09年1~3月期 ▲74億円 ←四半期で2番目に大きい赤字
同4~6月期 ▲65億円
同7~9月期 ▲53億円
同10~12月期 ▲20億円 ←赤字幅が大幅に縮小
10年1~3月期 ▲14億円
通期 航空運送
06年3月期 ▲104億円
07年3月期 ▲184億円
08年3月期 ▲232億円 ←通期ベースで最大の赤字
09年3月期 ▲188億円
10年3月期 ▲152億円
11年3月期 ▲27億円 ←赤字幅が大幅に縮小
(注)11年3月期は会社計画