大幅赤字に転落した日本郵船、今11年3月期黒字計画の「真実味」

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大幅赤字に転落した日本郵船、今11年3月期黒字計画の「真実味」

海運大手3社の一角、日本郵船の前2010年3月期は、営業利益、経常利益、最終利益とも過去最大の赤字となった。連結ベースでの営業赤字と経常赤字は初めてで、最終赤字は23年ぶり、と記録的に厳しい決算だった。

前10年3月期決算は、売上高が1兆6973億円(09年3月期比30.1%減)、営業損益が180億円の赤字(09年3月期は1449億円の黒字)、経常損益が304億円の赤字(同1408億円の黒字)、最終損益が174億円の赤字(同561億円の黒字)。

営業損益の赤字は、連結決算の開示を開始した1978年3月期以来初めて。単体のみ開示の時代も含めると、57年ぶりで過去最大の赤字額。ちなみに、創業以来10回目の営業赤字である。戦後では5回目。以下は過去に赤字決算期と赤字額。
     
      決算期       営業赤字額
 1897年3月期   ▲16万3326円  
 1930年9月期  ▲627万8009円 
 1931年3月期   ▲64万4068円 
 1931年9月期    ▲8万4684円 
 1932年3月期    ▲9万1543円 
 1946年8月期  ▲117万7589円 
 1950年3月期 ▲5649万4024円 
 1950年9月期 ▲9422万8008円 
 1953年3月期 ▲2992万6000円 
 2010年3月期 ▲180億9400万円

(注)2010年3月期以外は単体の半期決算で、1950年9月期までは収入から支出と「船舶減価引除金」や「船舶代修繕積立金」や「建物減価引除金」を引いた「差引利益金」。1953年3月期のみ「差引営業利益」
 
 一方、経常損益の赤字転落も連結開示以来初めて。単体も含めると1976年3月期以来34年ぶり(当時は半期決算)。経常利益公表を始めた1964年3月期以来では2度目の経常赤字となる。当時の赤字幅は14億5767万1000円だったから経常赤字額も過去最大。

    決算期       経常赤字額
 1976年3月期  ▲14億5767万円
 2010年3月期 ▲304億4500万円
 (注)1976年3月期は単体の半期決算

最終損益の赤字は1987年3月期以来23年ぶり。創業以来8回目の最終赤字で、第2次世界大戦後でも8回目。前期の最終赤字額は過去最大規模だ。

    決算期       最終赤字額
 1946年8月期  ▲117万7589円
 1953年3月期   ▲28万2274円
 1953年9月期   ▲23万6355円
 1954年3月期   ▲27万9009円
 1954年9月期    ▲3万9781円
 1964年9月期   ▲97万4408円
 1986年3月期  ▲35億5100万円 
 2010年3月期 ▲174億4700万円
 (注)1964年9月期までは単体の半期決算

では、この歴史的な赤字をもたらした要因は何だったのか。

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