大幅赤字に転落した日本郵船、今11年3月期黒字計画の「真実味」
日本郵船のような外航海運会社は、借入金を元に船を用立てて収益を上げているため、経常利益で比較するのが一般的だ。日本郵船の通期経常利益の推移は以下の通り。
通期 連結経常利益
03年3月期 503億円
04年3月期 746億円
05年3月期 1548億円
06年3月期 1404億円
07年3月期 1075億円
08年3月期 1984億円
09年3月期 1408億円
10年3月期 ▲304億円
11年3月期 650億円
(注)11年3月期は会社計画
今期は1ドル90円を想定、1円の円高は15億円の経常減益要因となる。燃料油は500ドル/トンの想定で、1ドルの油価上昇は2億円の経常減益要因となる。為替の実績は1ドル93円04銭(前年同期比7円78銭の円高)、燃料油の実績は393.83ドル(同109.38ドルの燃料安)。為替、燃料油とも、他の大手海運会社と同じ想定だ。
為替前提 1ドル= 1円円高で
日本郵船 90円 15億円減益
商船三井 90円 20億円減益
川崎汽船 90円 11億円減益
燃料油価格 1トン= 1ドル上昇で
日本郵船 500ドル 2億円減益
商船三井 500ドル 2億円減益
川崎汽船 500ドル 1.2億円減益
四半期ベースでは、09年10~12月期に4四半期ぶりに経常黒字に転換、10年1~3月期には2四半期連続黒字で、3ケタの経常黒字を確保している。
四半期 経常利益
08年4~6月期 651億円
同7~9月期 747億円
同10~12月期 273億円
09年1~3月期 ▲263億円
同4~6月期 ▲255億円
同7~9月期 ▲155億円
同10~12月期 50億円
10年1~3月期 140億円