無償で品出しも強要されるトラック運転手の悲惨 「荷主第一主義」の下、契約にない作業が跋扈
それでもトラックドライバーからは、「荷物の積み卸しや、数や状態の確認作業に当たる検品作業までは、まだ自分たちの仕事だと割り切れる」という意見も聞こえてくる。
ドライバーが解せないのは、荷物を降ろした後の「附帯作業」だ。荷物の仕分けやラベル貼り、棚入れ、棚卸し、商品の店頭陳列など、契約にない作業までさせられているドライバーが多く存在するのである。
中には家具屋にディスプレイする見本品の組み立てを依頼されたトラックドライバーもいる。
さらには、制限時間以内に附帯作業を終わらせるように指示され、もし間に合わないようならば、ドライバーが所属する会社から別の社員を応援に呼ぶよう求められるケースもある。
はびこる「無償」での附帯作業
この附帯作業における大きな問題は、彼らの多くが「無償」でさせられているところにある。筆者が以前、「手荷役や附帯作業における対価をもらっているか」のアンケートを取ったところ、176名のトラックドライバーから回答があり、「どちらももらっている」のが5.1%に対して、「どちらももらっていない」は62.5%という結果になった。
さらにこの作業は、トラックドライバーの長時間労働における問題にも大きく関係する。附帯作業は1~3時間。しかし、その作業前には、先着のトラックが作業を終わらせるまで「荷待ち」しなければならないため、場所や条件によっては半日以上同じ荷主の元で拘束されることもある。
「トラックの本当の仕事は荷物の運搬ではなく『待つ』こと」と皮肉るドライバーも少なくない。
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