ダメ部下に苦しむ上司を救う「ささいな習慣」 在宅勤務でも有効、1日1行でいい「ノート術」

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チェックがついた方は、部下に響かない指導法を繰り返してしまう傾向があります。

たとえば、期限を守らない部下に対して「期限を守れ」と言う、でも結局別の案件で部下が期限を守らない、また、「期限を守れ」という。

それが繰り返され「あいつは使えない」といって育成をあきらめる。そんなパターンに陥っていることが往々にしてあるのです。

サッカーで例えると、ヘディングが得意な選手にグラウンダーのパスを永遠に送り続けて、「何で決められないんだよ」と怒っているのと同じです。ヘディングに合わせやすいパスを出せばゴールを決められる可能性が高まるのに、もったいないですよね。

同じように、その人のキャラクターや置かれている状況によって、響く言葉、響かない言葉は違います。どういう言葉がいいかを考えて、一人ひとりにあった指導ができればベストです。

とはいえ、時間もないし、一人ひとり指導内容を変えるなんて面倒くさいと思った方がいらっしゃるかもしれません。

心配は無用です。私がこれからご紹介する「ささいな習慣」は、ほとんど手間がかからないと言っていいくらい簡単です。何しろ1日1行、その部下の気になる言動をノートにつける、それだけでいいのです。私は、これを「部下ノート」と名付けています。

キーワードは「小さな観察」

キーワードは「小さな観察」。ささいなことでも記録し、部下を見続けることで、本人がどんな考えに基づいて行動しているのか、判断基準は何か、何を喜び何を嫌うのか、そういったことが徐々に見えてきます。すると、どんなパスを出せばいいのかがわかってくるわけです。長文のレポートなど必要ありません。たった1行、そこからスタートしましょう。

もしも、多くの部下を抱えている方であれば、毎日でなくても、その部下について何か気が付いたタイミングで結構です。まずは「小さな観察」を始めることが重要です。

何より、部下ノートを始めれば、上司であるあなた自身が楽になります。プレイングマネジャーの中には、部下に任せられず自分ですべてやるという方がいます。一つひとつの作業は早く終わるかもしれませんが、結果あなたの負荷が膨大になり、圧倒的に時間と手間がかかります。もしも、部下が成長して、どんどん仕事を任せられるようになれば、あなた自身が救われるのです。

また、仕事の質や量だけでなく、部下との人間関係に悩む上司も多いことでしょう。これも、「小さな観察」を続けていくことで、その部下の本当の気持ちに気づくことができ、関係性もぐっと改善します。

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