「新型コロナによって生活者の暮らしが一変し、これからはニューノーマルの時代が始まる」と言われはじめ、はや1年近くが経ちました。先行きがイマイチ見えづらいまま2年目に突入し、自粛生活へのストレスも肥大するばかり。今年の5月病は昨年のそれより深刻だったという声も少なくありません。
こうした中、企業のマーケティングや事業開発において、コロナ禍において人々が身体的、精神的、そして社会的に良好な状態であるかどうか、いわゆる「ウェルビーイング」のあり方をどう捉えるか、ということに注目が集まっています。コロナによってストレスが増える中、人々がこれに対処しつつ、いかに幸福を維持するかが変化する可能性を見越してのことでしょう。
私は「Futurist(フューチャリスト)」という肩書で、これからの人々の価値観の変化を洞察することを生業にしており、若者からシニアまでさまざまな人々へのインタビューを日々行っています。そうした中で、この1年間は人々のウェルビーイングに対する考え方には顕著な変化があったと感じています。
つまり、いかにストレスと向き合うか、リラックスや幸福を感じる時間をどのように取り入れるか、という考え方が変化しているのです。今回は、インタビューを通じて見えてきた実際の変化について紹介します。
コロナで「土日への期待」が薄れた
「コロナ前は土日の旅行のために平日仕事を頑張っていましたが、今は土日のイベントのために頑張るとかはなくなりました。自粛期間が終わっても、ちゃんとご飯を作って、ちゃんと風呂に入ることは続けたいと思います」
これは、コロナ後の生活の変化についてインタビューしていたときの発言です。28歳会社員のMさんは、コロナ禍以降土日への期待が薄れたと言い、その分、平日のリラックスや贅沢時間が増えたと言います。
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