「風呂で飲食」平日に非日常を求める人たちの行動 コロナ禍で変わったそれぞれのリラックス方法

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また面白いことに、その日のうちにストレスを解消し、翌日以降にリフレッシュの期待を残さない、という価値観はさらに細分化され、1日の生活設計にも影響を及ぼしている場合がありました。ある女性が「コロナ禍以降もデリバリーレストランを使わない理由」として、以下のようなことを言っています。

「(デリバリーは)フレキシブルさを奪われることが嫌なんですよね。突然コーヒーを飲みたいと思って出かけるかもしれないし。そのときにデリバリーがくるからといって諦めるのが嫌。やりたいことをやりたいときにやりたいので、それを阻害することは極力排除したい」

IT企業で働くSさん(28歳)は、コロナ禍以降とくに、自分のこの後の行動を制限されないことに意識的になったと言います。同様の理由で洗濯機を乾燥機付きのものに変えた人もいましたが、その理由も「このあと干す行動が決められている状態を回避したい」というものでした。

コロナ禍以降、デリバリー利用は全体的には飛躍的に伸びているため、デリバリーはあくまで個別具体的な一事例ですが、その日、もしくは数日後の自分の行動を、今の時点で制限したくないと考える人は、体感的に増えていると感じます

アルコールをやめて、ノンアルに

近しい行動として、ノンアルコールビールの導入を試みた人もいました。35歳会社員のMさんは、今までは仕事終わりにビールを飲んで1日の終わりを楽しんでいたと言いますが、コロナ禍以降はノンアルに切り替えたとのこと。その理由として以下のように語っています。

「仕事の終わりにお酒を飲むのではなく、寝る前に本を読んだり、勉強したりする可能性を残すために、ノンアルのビールやノンアルカクテルを飲んでいます」

これも先ほどのデリバリーや乾燥機付き洗濯機の事例と同様に、「この後の自分の状態を制限しない」という価値観の表れだと捉えられるでしょう。アルコールを飲んでしまうと酔ってしまい、その後にできることが限られてしまうかもしれない。だとすると、自分が本を読みたいと思い立っても、行動に移せなくなってしまう。そこで、いつでも普段どおりの自分に戻れる、ノンアルの可逆性を生かしたリラックス方法を取り入れているのでしょう

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