中京銀行、異例の「希望退職」で強まる再編気運 人員削減に加えて店舗数の約3割を一気に削減へ

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希望退職の募集を発表した中京銀行。筆頭株主は三菱UFJ銀行で約40%を保有する(編集部撮影)

低金利の長期化で金融機関の収益が細る中、いよいよ思い切ったリストラ策に踏み切る銀行が出てきた。愛知県を地盤とする中京銀行は6月7日、希望退職の募集を発表した。

これまでも、多くの銀行が店舗の統廃合に加えて人員削減を打ち出してきた。が、削減といっても定年退職や新規採用の抑制によるもの。銀行業界で希望退職を打ち出すのは異例だ。

中京銀行は2021年2月に発表した中期経営計画(2021年度~2023年度)の中で約3割の店舗削減を打ち出した。また、タブレットの活用やペーパーレス化で事務量を削減するほか、アプリなどの非対面チャネルも強化することで、業務量は約30%減る見通しだ。店舗数の削減については2021年度中に一気に進めることになっており、そのペースは早まっている。

店舗や業務量が削減されれば、当然人員は少なくて済む。2023年度までに従来よりも人員を25~30%減らす計画だ。 今回の希望退職はスリム化の一環で、対象となるのは45歳以上の総合職、一般職は全年齢を対象にしている。今年8月に募集を行うが、具体的な人数は定められていない。一般職で年齢を問わないのは、従来の窓口業務などが確実に減るからだろう。

このタイミングで実施する狙い

ただし、中京銀行が地方銀行の中で特別厳しいというわけではない。20年度の単体純利益は約34億円(前年比約10%増)。経営の効率性を示す指標の1つである経費率(経費÷業務粗利益)は76.5%と地銀平均のやや上の水準だ。

地銀の中には経費率がもっと高いところがあり、思い切ったリストラが必要なところはほかにある。中京銀行は今回の中計で、現状のままでは利益が減り続けるという収益予測を示し、「経営体力のある今だからこそ、抜本的改革を行う」としている。

地銀に待ったなしの構造改革で先手を打ったといえるが、ある銀行関係者は、「中京銀行の構造改革は特異なケース」とみる。そう言われるのは、中京銀行が旧東海銀行系で、現在も三菱UFJ銀行が約40%の株を保有する筆頭株主だからだ。現在の取締役10人のうち5人が東海銀行出身者で占める。

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