日本でも今後「ひどいインフレ」がやって来るのか そもそもインフレはどうやったら起きるのか?

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つまり、今後、世界でインフレが起きるかどうかは、世界中の企業が、値上げを好んで行うかどうかにかかっており、世界の消費者が値上げを受け入れるかどうかなのである。そう。世界はケチになるのか、ならないのか。それにかかっているのである。

こう考えるとすべてのことが見えてくる。物価は上がらないといわれているが、不動産は上がり、マンションは上がり、ワインは上がり、高級腕時計は上がる。

印象派の絵画は上がり、サラブレッドの値段は上がっている。それは、ケチでない人々が、これらのモノを買っているからである。高級マンションは2億円のものが6億円になったりしているが、家賃4万8000円のアパートは手を変え品を変え、あるいは立地を変えて存続している。

デリバリーも、ケチでない人々が消費している。端的に言うと、例えば日本に住んでいる中国出身の多くの人々は、デリバリー代をケチらない。金持ちというよりは、彼らはケチではないからである。日本人の金持ちはケチだから、デリバリーは頼まない。

「消費の二極化」も同じである。ケチでない人々のいる世界、趣味の品、投資品などの価格はこの10年で「2倍、3倍は当たり前」である。一方、庶民のランチ代は上がらない。ワンコインである。牛丼が値上がりしてワンコインでなくなれば、彼らは、牛丼ではなく、ワンコインで済むランチを探すし、弁当を自分で作ることになる。

物価は上がらないが、身の回りで値上がりがハンパないモノもたくさんある。それは、同じ消費者でも、あるものにはケチで、あるものにはケチでないからである。また、所得の二極化がすすんでいることも同じである。急激に金持ちになると、普通はケチではないので、いわゆる成金マーケットでは物価は上がる。高成長経済の国、都市の物価は上がる。

こう考えていくと、格差が広がると物価は実際には上がっているが、一方で庶民の消費財を中心として計測された物価水準というデータは上がらないという、二極化現象が説明できる。

物価のなぞの続きは、また深く考えてみたい(本編はここで終了です。次ページ以降は筆者が競馬論や週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬。ディープ産駒が欧州で快挙を成し遂げた!
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