日本でも今後「ひどいインフレ」がやって来るのか そもそもインフレはどうやったら起きるのか?

✎ 1〜 ✎ 68 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 最新
拡大
縮小

競馬である。

前述したとおり、サラブレッドの価格は日本においては値上がりを続けている。それどころか、日本が誇るべき世界一物価上昇率の高い、珍しい、もしかしたら唯一の財であるかもしれない。

その理由のひとつは、日本が誇るディープインパクトが偉大すぎたため、同産駒を何が何でもほしい、という人が世界にあふれたからであり、ディープの死(2019年7月30日)とともに、このマーケットの高騰はクライマックスを迎えた。

スノーフォールが凱旋門賞で勝てば「悲願達成」?

実際、この5月には英国オークスでディープインパクト産駒のスノーフォール(Snowfall)が16馬身差というレース史上最大の着差で圧勝した。現時点のブックメーカーのオッズでは、今年の凱旋門賞(10月3日)の1番人気に躍り出た。

これは、1990年に愚かにも、アメリカ競馬界が、同国の至宝となるはずだったサンデーサイレンスを、日本の社台ファームの吉田善哉氏(故人)にたった1100万ドルで売ってしまったことから始まった。世界の競馬地図の塗り替えの歴史の幕開けであった。

日本人がサラブレッドにはケチでないのか、吉田善哉氏が素晴らしいのか、それはともかく、日本は、その後、圧倒的に世界一の馬産国となった。

しかし、それでも凱旋門賞はまだ勝っていない。これが日本の競馬界の悲願である。

では、今年、彼女、スノーフォールが勝てば、本当に日本の悲願が達成されるのだろうか。

次ページ勝っても悲願達成どころかむしろ日本の恥?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT